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朝ドラ『虎に翼』で光る"戸塚純貴"の演技力が話題...「#俺たちの轟」として視聴者から愛されるワケ

  • 2024.6.28

「#俺たちの轟」というハッシュタグと共に、『虎に翼』の人気キャラクターとして注目されている轟太一。演じているのは、名バイプレイヤーとしてさまざまな作品で爪痕を残してきた戸塚純貴だ。戸塚は意外なことに『虎に翼』が初めての朝ドラ出演。歴史が深い朝ドラへの初出演にもかかわらず、ハッシュタグが生まれるほど視聴者から愛されているのは、ひとえに戸塚の演技力によるものといえるだろう。

ギャップが轟を魅力的にする

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(C)NHK

轟の初登場は、主人公・寅子(伊藤沙莉)が、法学部に入学した第4週。表面上は好意的に寅子たちを受け入れた花岡(岩田剛典)に比べて、轟は頑なな態度を見せていた。とはいえ、女子学生たちに差別的な言葉をぶつけるわけでなく、意固地になっている態度がどこかチャーミングだったのが印象的だった。轟には、「男はこうあるべき」という考えはあるにしろ、「女はこうあるべき」を押し付けないのも、他のキャラクターとの明確な違いだったといえる。

自身が信じる漢らしさを全うしようとする快活な言動、女子部のメンバーたちの影響を受けて考えを変えていく柔軟さ、些細なことでよね(土居志央梨)と対抗する子供っぽい一面。轟はどこか愛らしくて憎めない、なんか良い奴と思わせられるキャラクターだった。

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(C)NHK

そんな明るい姿との大きなギャップを見せた第11週。栄養失調で亡くなった花岡の記事が載った新聞を大切そうに握り締めて酒を煽り、涙ながらに花岡への想いを吐露する姿には、胸が締めつけられた。花岡との思い出や、それに対して生まれていた自身の特別な感情を語る姿からは、轟がこれまで見せてこなかった心の柔らかい部分が垣間見えた。

名バイプレイヤーとして活躍してきた戸塚純貴

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(C)NHK

第23回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストをきっかけに芸能界入りをした戸塚。これまで数多くのドラマや映画に出演してきた。主人公の友人役や1話のみのゲストなど、メインの役ではなくとも、なぜか印象に残る役柄が多い。

轟のように憎めないキャラクターから嫌味の多いいけすかない奴、何かに困って助けを求める役柄など、どんな役をやっていても戸塚のセリフ回しや仕草などを通すと、人間臭い愛らしさが宿るのだ。これは彼の芝居の大きな強みといえる。

そんな魅力が遺憾無く発揮されたのが、『だが、情熱はある』で演じた春日俊彰役だ。顔も声も違うのに、なぜかオードリーの春日に見えるという不思議な感覚に陥った人も多かっただろう。特に高校生時代や春日の自宅での若林(髙橋海人)とのやりとりは、現実のオードリーの過去もこうだったのではないかと思わせる説得力があった。春日特有の自信に溢れた態度やゆったりとした喋りは、戸塚が得意とする愛され芝居にぴったりだったのだ。

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(C)NHK

花岡の死を乗り越えて、弁護士として働いている現在の轟。仲違いしてしまった寅子とよねの良き理解者として言葉を送る姿もなんとも魅力的だ。SNSでは「轟法律事務所のスピンオフが見たい」という声など、轟とよねのバディに喜んでいる視聴者も多い。「#俺たちの轟」のこれからの活躍も楽しみに見守りたいところだ。



ライター:古澤椋子
ドラマや映画コラム、施設取材、イベントレポートなどを執筆するライター。ドラマ・映画・アニメ・漫画とともに育つ。X(旧Twitter):@k_ar0202