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大人が意外と間違える算数「3.2÷0.04」→すぐに解ける?

  • 2024.6.5
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足し算や引き算に比べて、掛け算や割り算では小数点の扱いが難しく感じられます。

計算の途中で小数点が動いてしまい、ややこしいと感じる方も多いのではないでしょうか。

それは、小数点がなぜそのように動くのか、その理由が分かっていないからかもしれません。

今回は、小数点を含む割り算に挑戦して、小数点の動きを確かめてみましょう。

問題

次の問題を解いてください。
3.2÷0.04

小数点の位置に注意してください。

解答

この問題の答えは「80」になります。

小数の問題だったのに、答えはずいぶん大きな数になりました。

この問題を普通の筆算で解くと、次のような手順になります。

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  1. 割る数0.04の小数点を二桁分右にずらします。
  2. 割られる数3.2も同じ桁数分(二桁分)小数点を右にずらします。
  3. 整数の割り算と同じように筆算をします。

小数点を動かして
320÷4
として筆算を行います。

小学生の時に習った小数の筆算のルール、思い出せたでしょうか。

ここで「なぜ小数点が動くんだろう?」と思った方は、次のポイントに進んでください。

ポイント

小数の割り算のポイントは、計算式を整数として考えることです。

整数の計算式であれば、通常の割り算として計算ができるからです。

では、どうしたら整数の計算式にできるのでしょうか。

答えは簡単、計算式が整数になるまで×10、×100...と10の倍数を掛けていけばよいのです。

こうすることで、小数点は右に動き、小数は整数になります。

今回は割る数が0.04なので、×100をして4の形に直しました。

しかし、割る数にだけ×100をすると、もとの式とは別の式になってしまいます。

そこで、割られる数である3.2にも×100をして320にしています。

これで、計算式はもとの式と同じになります。

なぜでしょうか?

それは3.2÷0.04を分数の形で表すと分かります。

3.2÷0.04
=3.2/0.04

分数では、分母と分子に同じ数を掛けたり割ったりしてもよいというルールがありました。

つまり、分母と分子ともに100を掛けてあげれば、もとの分数と同じになるのですね。

3.2/0.04
=320/4

ここまでの式をまとめてみてみると、次のようになります。

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3.2÷0.04
=3.2/0.04
=(3.2×100)/(0.04×100)
=320/4
=320÷4

320÷4は、暗算でも簡単に80と答えが出せますね。

まとめ

今回は、小数の割り算の問題に挑戦しました。

小数の割り算では、割る数を整数にして計算します。

小数を整数にするには10の倍数を掛けて小数点を右に動かす必要があるのですが、もとの計算式の意味を壊さないために割られる数にも同じく小数点を右に動かします。

「筆算で割る数、割られる数の小数点が動く意味がいまいちわからなかった」という人は、分数モデルで考えると分かりやすいですよ。

小数の割り算のルールを思い出したら、別の問題にも挑戦してみてくださいね。



文:編集(監修):VY

数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。

監修:堀口智之(ほりぐち ともゆき)

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和から株式会社代表取締役
大人のための数学教室「和」(なごみ) 創業者
大人の数トレ教室 代表
一般社団法人ビジネス数学協会 理事

2010年に、日本で初めて「社会人専門の数学教室」を創業。講師40名、累計受講者20,000人を超えるほどに成長。日本最大級数学イベント「ロマンティック数学ナイト」の企画・創設。延べ10万人以上が参加。2022年に、youtube「大人の数トレチャンネル」を本格稼働を開始。約1年でチャンネル登録者数4万人を超えるまで成長。


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