九九を知っていれば、一桁同士の掛け算はすぐに答えを出せます。
しかし、二桁の掛け算になると、多くの人が紙と鉛筆を使って筆算をするでしょう。
そこで注目したいのが、インド式計算法です。
インド式計算法を使うと、一見複雑な掛け算でも暗算で解けます。今回は、「×11」が登場する二桁の掛け算問題に挑戦してみましょう。
問題
次の問題を暗算で解いてください。
72×11
最初はゆっくりで構いません。暗算で解いてみましょう。
解答
この問題の答えは、「792」です。
暗算で解くコツは、インド式計算法を使うことです。
インド式計算法では、72×11の計算を次のように位ごとに分解して解きます。
百の位 | 十の位 | 一の位 |
7 | 7+2 | 2 |
合わせて答えを出すと、792になりますね。
ポイント
では、どうして上記のように百の位、十の位、一の位に分解して計算できるのでしょうか。
ポイントは72に「11」を掛けているところです。
まず筆算に戻って72×11を計算してみると、次の図のようになります。
筆算を見ると、十の位が7+2になっている理由がよく分かります。
画像の赤い枠部分は7×1と2×1でできており、筆算の最後の段階では、足し算をして十の位にするからです。
インド式計算法で二桁の数に11を掛けるときのルール
インド式計算法で二桁の数に11を掛けるときのルールをまとめておきます。
ab(十の位がa、一の位がb)×11
百の位 | 十の位 | 一の位 |
a | a+b | b |
※繰上りが起きたときは、百の位に繰り上がった分の数字を足します。
二桁の数に掛けるのが11の場合、十の位は「掛けられる数の十の位+掛けられる数の一の位」になるところがポイントです。
なお、この計算ルールは二桁の掛け算すべてではなく、二桁×11の計算にのみ当てはまります。
インド式計算法は、掛け算の形によって計算ルールが細かく分かれているのが特徴です。
まとめ
今回は、二桁×11を暗算で解く問題に挑戦しました。
×11は掛けられる数の特性を活かして計算できるため、インド式計算法を使うと簡単です。
インド式計算方法には、他にもたくさんのパターンがあります。
興味がある人は、いろいろなインド式計算法の問題に挑戦してみてくださいね。
文:編集(監修):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
もう一問インド式計算法に挑戦!