濃度の問題の中でも特にややこしいのが、水溶液と水溶液を混ぜる問題です。
濃度は求められても、混ぜる問題が苦手な人は多いのではないでしょうか。
しかし、難しい問題だからこそ正解したときの喜びも大きいものです。今回の問題に挑戦して、自信をつけてみませんか?
問題
濃度5%の砂糖水75gに濃度1%の砂糖水を混ぜると、濃度4%の砂糖水ができました。
このとき、濃度1%の砂糖水は何gだったでしょうか?
解答
答えは「25g」です。
解き方はいくつかありますが、今回は溶けている砂糖の量に注目してみましょう。
ここで重要になるのが次の式です。
砂糖水に溶けている砂糖の質量=砂糖水の質量×(濃度÷100)
例えば、濃度2%の砂糖水100gには、100g×(2÷100)=100g×0.02=2gの砂糖が溶けています。
問題では、「濃度5%の砂糖水75gと濃度1%の砂糖水を何gかを混ぜたら濃度4%の砂糖水ができた」といっています。
ここで濃度1%の砂糖水の量を■gとします。
すると、各砂糖水内の砂糖の量は次のように表せます。
A | 濃度5%の砂糖水75gに溶けている砂糖の量 | 75g×0.05 |
B | 濃度1%の砂糖水に溶けている砂糖の量 | ■g×0.01 |
C | 濃度4%の砂糖水に溶けている砂糖の量 | (75+■)g×0.04 |
ここで、濃度5%の砂糖水と濃度1%の砂糖水に溶けている砂糖の量を合わせると、濃度4%の砂糖水に溶けている砂糖の量と同じになることに注目しましょう。
A+B=C
75×0.05+■×0.01=(75+■)×0.04
■に当てはまる数を求めると、25gになります。
どうやって■に当てはまる数を求めるのかは、次項の「ポイント」で解説します。
ポイント
この問題のポイントは、砂糖の量に注目して「75×0.05+■×0.01=(75+■)×0.04」の式が立てられるかどうか、そしてこの式に当てはまる■が求められるかどうかです。
式の中に分からない数が1つしかない場合、等式の性質をうまく使えば当てはまる数を求めることが可能です。
75×0.05+■×0.01=(75+■)×0.04
↓
75×0.05+■×0.01=75×0.04+■×0.04
↓
3.75+■×0.01=3+■×0.04
↓
■×0.01-■×0.04=3-3.75
↓
-■×0.03=-0.75
↓
■=0.75÷0.03
↓
■=25
これで、答えの25gが出ましたね。
まとめ
この問題では、混ぜる前と混ぜた後の砂糖水に含まれる砂糖の量に注目して式を立てました。
他にも濃度の公式を使ったり、面積図を用いたりしても答えを求められます。色々な解法を試してみてくださいね。
文:編集(監修):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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