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大人が意外とわからない「5%の食塩水が300gある→塩は何g?」

  • 2024.1.31
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「食塩水の濃度」に関する問題は、算数・数学でよく出題されます。

実際に正確な濃度を計算しながら塩水を作るという場面は少ないかもしれませんが、この考え方は「科学」にとって非常に重要です。

工業製品の材料の割合や薬品の配合など、数パーセント違うだけで全く違うものになってしまいます。

今回はそのような「濃度」に関する問題に挑戦してみましょう。

問題

濃度5%の食塩水が300gある。この食塩水に溶けている食塩は何gですか?

溶けている食塩の重さを求める問題です。どのように計算すればいいのでしょうか。

 

今回の問題の答えは「15g」です。

解説

理科の教科書には、濃度の計算の仕方として、次のような公式が載っています。

質量パーセント濃度(%)=溶質(g)÷溶液(g)×100

「質量パーセント濃度」というのは、いわゆる「濃度」のことです。

そして「溶質」は、溶けている物質(今回の場合は食塩)、「溶液」は液体全体(今回の場合は食塩水)のことになります。

計算式で「×100」となっているのは、小数で表された割合をパーセントにするための計算ですね。

 

今回は、溶けている食塩(溶質)を求めなければいけません。上記の公式に代入して計算することも可能ですが、「濃度の意味」をしっかり理解していると、もっと簡単に計算ができるはずです。

「濃度」というのは「全体(食塩水)に対して、ある物質(食塩)が溶けている割合」です。

つまり「濃度5%の食塩水が300g」というのは「300gのうち、5%が食塩」ということになります。

したがって、その計算は以下の通りです。

300×5%
=300×0.05
=15

よって、溶けている食塩は「15g」ということですね。

 

濃度計算で気をつけないといけないのは「元にする量が全体(食塩水)」ということです。

例えば、水100gに食塩10gを溶かすと、濃度は何%でしょうか。早合点して10%としてしまうのが、よくある間違いです。

水100gと食塩10gを混ぜているので食塩水は110gです。この110gの食塩水を元に濃度を考えなければいけません。

全体110gのうち、溶けている食塩は10gなので、10÷110=0.0909・・・となり、約9.09%という濃度になります。

濃度を考えるときは、「全体の量」と「溶けている物質の量」に着目しなければいけません。

まとめ

料理のときに濃度を間違えてしまうのは、我慢して食べればいいかもしれませんが、薬品の濃度のようなもので数パーセントの間違いがあるとダメですよね。

正確な濃度をどのように計算するのか、この機会にしっかりと学び直しをしてみてください!

 

※解き方は複数ある場合がございます


文・編集(監修):SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」