同じ数を何度も掛け算するときは「累乗」を使って式を表します。
ただし、計算式に累乗が含まれている場合、計算の順序に注意が必要です。
今回は、累乗を含んだ計算に挑戦してみましょう。
問題
次の計算をしなさい。
3+(16÷2^3)
「2^3」は、2を3回掛け算、つまり「2×2×2」を表します。
このとき、カッコ内は「16÷2×2×2」ではありません。
解説
今回の問題の答えは「5」です。
また、途中の計算式は次のようになります。
3+(16÷2^3)
=3+(16÷8)
=3+2
=5
この問題で注意が必要なのは、計算の順序です。
「累乗を含んだ式」では、次の順で計算をします。
(1)カッコ内の計算
(2)累乗の計算
(3)掛け算・割り算の計算
(4)足し算・引き算の計算
カッコ内の計算について
まずは、カッコ内の計算「16÷2^3」に着目してみましょう。
正しい計算は、まず累乗の計算をして、その後に割り算です。
(正しい計算)
2^3
=2×2×2
=8
その後、
16÷8=2
「2^3=2×2×2」という変形は正しいですが、カッコ内を次のようにすると間違いです。
(間違えた計算)
16÷2^3
=16÷2×2×2
この式にすると、通常の掛け算・割り算の計算となり、左から順に計算しなければいけません。
(間違えた計算・続き)
16÷2×2×2
=8×2×2
=16×2
=32
「累乗」は掛け算の表し方の一つではありますが、計算としては通常の掛け算・割り算より優先しなければいけません。
よって、もし「2^3=2×2×2」であることを明確にして式変形をするならば、次のようにカッコを付けます。
(正しい式変形)
16÷2^3
=16÷(2×2×2)
掛け算の計算であっても「累乗」として計算する掛け算は、優先度が高いというのがポイントです。
まとめ
「掛け算・割り算を優先して計算する」ということを知っていても「累乗はどの順で計算するのか」をきちんと知らない方がいたかもしれません。
掛け算の計算の中でも、累乗は先に計算をしましょう。
計算問題は、繰り返し練習することで早く正確に計算することが可能になります。ぜひ他の記事の問題にも挑戦してみてください!
※当メディアでご紹介する数学関連の記事においては、複数の解法を持つものもございます。
あくまで一例としてのご紹介に留まることをご了承ください。
文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
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