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大人が意外と解けない算数「96×99」→秒で解ける?

  • 2024.5.28

 

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世界有数のIT先進国であるインドがその地位を築いた要因の一つに、進んだ算数教育が挙げられます。

特に注目されるのが、「インド式計算法」と呼ばれる独自の計算方法です。

この記事では、インド式計算法の中でも、100に近い数字同士の掛け算に関するテクニックを紹介します。

問題

(問題)
96×99を暗算で計算しなさい

「こんな複雑な計算は暗算でできないだろう…」と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、「インド式計算法」をマスターすれば、そうした複雑な計算も暗算で行うことが可能になります。

解説

この問題の答えは「9504」です。

インド式計算法では、条件によって計算式の考え方があります。

今回の計算の条件は「百に近い数字同士の掛け算」になります。

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【手順1】
100を二つ掛け合わせます。

96×99を、100より4小さい数(□)と、100より1小さい数(△)とみます。

そして、まず100×100の計算を行います。

100×100=10000

【手順2】
100から引いて出た余りの数の和を、100に掛けます。

100から96と99を引いたとき、余りの数は4と1なので、(4+1)×100=500となります。

【手順3】
100から引いて出た余りの数同士を掛け合わせます。

96×99では4×1=4となります。

【手順4】
【手順1】-【手順2】+【手順3】を計算する。


10000-500+4=9504

ポイント

今回ご紹介した計算方法がなぜ成り立つのか。

それは次の三つの手順で説明できます。

1:掛け算を長方形の面積で表す
2:一辺が100の正方形で囲む
3:面積の計算を行う

それぞれ順番に解説します。

1:掛け算を長方形の面積で表す

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掛け算は長方形の面積で表すことができます。

長方形の面積は縦×横で求められるので、今回の問題の96×99は縦の長さが96、横の長さが99の面積で表せます。

2:一辺が100の正方形で囲む

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1で用意した縦の長さが96、横の長さが99の長方形を、一辺が100の正方形で囲んでみましょう。

3:面積の計算を行う

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図形の面積を求めます。

全体の正方形から、4×100の長方形と1×100の長方形を引きます。

このとき、右下の赤の長方形を二回引いてしまうことになるので、一回分付け加えます。

100×100-4×100-1×100+4×1=10000-500+4=9504

もう一つの考え方

「99」を「100-1」として、次のように計算することも可能です。

96×99
=96×(100-1)
=96×100 - 96×1
=9600 - 96
=9504

計算しやすい方法を使い分けるといいですね!

まとめ

今回はインド式計算法の一つ、百に近い数字同士の掛け算の方法をご紹介しました。

何度か練習してこの方法に慣れれば、従来よりもずっとスピーディーに計算ができるようになるはずです。

ぜひこの技術を活用して、計算の効率を向上させてみてください。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



執筆:nika
これまで15年以上、学習塾で教務部長や教室長として小学生から高校生まで算数・数学の指導を行っているライター

監修:SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」


インド式計算法をもう一問どうぞ!

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