算数・数学は「論理的思考力を鍛えるのに良い」と言われることがあります。
その中でも図形問題は、ひらめきを必要とするので、大人の脳トレにもピッタリです。
今回は、少し難しい図形問題に挑戦してみましょう。
問題
次の□に当てはまる数を求めなさい。
※長さや面積の縮尺は、必ずしも正確に描かれていない。
※A、B、Cの三つの図形は面積が等しい。
この問題を解くには、補助線が必要になります。
どこに補助線を引けばいいのかを考えましょう!
「A、B、Cの三つの図形は面積が等しい」というのがポイントです。
解説
今回の問題の答えは「10cm」です。
以下の手順で、辺の長さを求めていきます。
また、下図のように補助線(赤点線)を引きます。
(解説のために、下図のようにD、E、Fとする)
この問題を解くには、まず始めに面積に着目します。
A、B、Cの三つの図形の面積が等しいですが、比べるのはBとCの図形です。
それぞれの面積の計算は以下のとおりです。
Cは長方形
面積は「□×F」の計算です。
(EとFは等しい)
Bは三角形
面積は「□×D÷2」
(底辺が□cm、高さがD)
これら二つの図形は「□cm」の辺を共有しています。
底辺と面積が等しい三角形と長方形ということなので、高さの比が「D:E=2:1」ということが成り立ちます。
(三角形の面積は「÷2」がされているのに対し、長方形と面積が等しいということは、高さが「2倍」ということになります)
15cmの長さを2:1に分けるので、
D=10cm
E=5cm(F=5cm)
ということが分かります。
次に全体の面積を考えましょう。
A、B、Cを合わせた全体の形は
上底5cm(F)
下底15cm
高さ15cm
の台形です。
したがって、その面積は
台形
=(上底+下底)×高さ÷2
=(5+15)×15÷2
=20×15÷2
=300÷2
=150
全体の面積は「150cm2」です。
そして、A、B、Cのそれぞれは等しいので
150÷3=50
となり、それぞれの面積は50cm2ということが分かります。
最後に長方形Cに着目をしましょう。
面積が50cm2
縦が5cm
よって
□=50÷5=10cm
これが答えとなります。
「三つの図形の面積が等しい」という条件をどのように使うかがポイントですね!
まとめ
図形問題は、ひらめきだけでなく、論理的思考力が求められるので、脳トレにピッタリです。
ぜひ他の問題にも挑戦してみてください!
※当メディアでご紹介する数学関連の記事においては、複数の解法を持つものもございます。
あくまで一例としてのご紹介に留まることをご了承ください。
文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
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