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大人が意外と解けない算数「17×16」→暗算で解ける?

  • 2024.5.29
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「インド式計算法」という言葉を聞いたことがありますか?

日本の小学校で「九九」を覚えるように、インドでは「19×19」まで暗算で解く方法を教えるそうです。

ただ数字を丸暗記するだけではなく、効率的な計算方法を教えています。

この記事では、その効率的な計算方法である「インド式計算法」について解説します。

インド式計算法とは

インド式計算法は、効率よく答えを導き出す計算手法です。

計算式を条件によってパターン分けし、数学的に正しい式変形を用いた簡単な計算式に作り変えます。

例えば「19×5×2」の計算はすぐにできるでしょうか。

前から順番に計算すると、少し面倒な計算も

19×5×2を後ろから計算
→5×2=10
19×10=190

と後ろから計算すれば、とても効率的な計算になります。

インド式計算法では、計算の順序を入れ替えたり、式変形をして効率的に計算します。

インド式計算法を身につける第一歩として、「19×19」までの計算を暗算でできるようになるとよいでしょう。

始めのうちは、普通に筆算で計算した方が早いということがあるかもしれませんが、慣れると確実にインド式計算法の方が早く計算可能になります。

問題

次の計算を暗算で求めなさい。
17×16

今回は上記の問題を例題として解説しますが、19×19までの計算にも同様の手順が適用可能です。

【手順1】
一方の数と、もう一方の一の位の数を足す。
17+6=23(16+7=23でも可)

【手順2】
手順1の数を10倍する。
23×10=230

【手順3】
二つの数の一の位同士を掛け算する。
7×6=42

【手順4】
手順2と手順3で計算した数を足す。それが答えとなる。
230+42=272

計算が成り立つ理由

なぜこのような手順で計算ができるのか疑問に思った方がいるかもしれません。

計算が成り立つ理由は、さまざまな説明がありますが、今回は「展開・因数分解」を用いて確認をします。

展開
(X+a)(X+b)=X^2+(a+b)X+ab

今回の計算は、上記の展開公式を用いて説明が可能です。(正確には、上記の公式をさらに変形しています)

【手順1】【手順2】までの計算は、公式の「X^2 +(a+b)X」の部分を「(X+a+b)X」と因数分解し、
【手順3】の計算は、公式の「ab」に対応しています。

「17×16」の計算では
X=10
a=7
b=6
となっています。

これを(10+7)(10+6)と考え、展開します。

「(X+a+b)X」の部分は「(10+7+6)×10=230」、
「ab」の部分は「7×6=42」であり、

インド式計算法と同じ結果となります。

このような展開・因数分解の考え方を計算手法に落とし込んだのが「インド式計算法」です。

まとめ

この記事では、インド式計算法が成り立つ理由を数学的に説明をしました。

今回紹介したのは「19×19」までの計算に使えるものです。

インド式計算法には他にもさまざまなパターンがあります。

ぜひ練習をして計算力をあげましょう!

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。


文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」


インド式計算法をもう一問どうぞ!

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