小学生の頃、計算問題に0が含まれていたら簡単でラッキーと思ったことはありませんか?
しかし、今回の問題は小学生はもちろん、大人でも間違えることがある問題です。
特に0を含む割り算は注意が必要なので、よくある間違い方もあわせて復習しておきましょう。
問題
次の計算をしなさい。
32+0÷4÷2-1
この問題のよくある誤答は「3」や「33」です。
なぜこの間違いが起きやすいのか、考えていきましょう。
後半では、0を含む割り算の注意点についても復習していきます。
解説
まずは、誤答の3が出てきてしまう計算のやり方です。
32+0÷4÷2-1
=32÷4÷2-1
=8÷2-1
=4-1
=3
次に、33と誤ってしまう計算も見ていきましょう。
32+0÷4÷2-1
=32+2-1
=34-1
=33
どちらも、ぱっと見では間違いないように見えます。
しかし、この問題の正答は「31」です。
どこが間違っているのかよく整理していきましょう。
この問題を見通してみると、足し算・引き算・割り算が混ざっていますね。そのような場合には計算順序がとても重要でした。
計算は
1.掛け算・割り算
2.足し算・引き算
の順で計算する。
この計算順序に従うと、まず「0÷4÷2」から計算しなければなりません。
一番初めが0だから、0をなかったことにして4÷2-2、としてしまうと間違えてしまいます。
足し算や引き算では0をなかったことにして問題ありませんが、掛け算・割り算の場合は絶対に無視してはいけません。
さて、0が÷の前にある場合、後ろの数が何であろうとも計算結果は必ず「0」でしたね。
0÷◆=0
つまり、
0÷4÷2
=0÷2
=0
となります。
あとは、通常の足し算と引き算を計算して
32+0÷4÷2-1
=32+0-1
=32-1
=31
と答えが出てきます。「3」や「33」と間違えるのは、この計算順序を無視して計算しているからですね。
ここからは、0を含む割り算について小学校で習ったこと以外の面白い性質もあわせて考えてみましょう。
「0÷◆=0」ですが、「◆÷0」はどうだったでしょうか。
「◆÷0」は答えを出せないものでしたね。どうしてか説明できたら、立派な数学博士です。
例えば、6÷2=3という計算から、そもそもの割り算の仕組みから整理していきましょう。
6、2、3と3種類の数字が出てきましたが、これは「6になるためには2を3回足す」という意味でもありますね。
つまり、割り算とは「÷の前にある数(割られる数)になるためには÷の後ろの数(割る数)を何回足せばよいか?」という問題であるわけです。
例えば「0÷2」を考えると「0になるためには2を何回足せばよいか?」と聞かれたとすると、「0回」と答えられますが、逆の「2÷0」はどうでしょうか。「2になるためには0を何回足せばよいか?」と考えますが、0を何回足しても0のままですから、答えは出せません。なので、「0÷◆=0」は成り立ちますが、「◆÷0」というものは普段の算数・数学では計算できないものなのです。
しかし、「0÷0」の場合だけは特別です。これは「0になるために0を何回足せばよいか?」ということですが、0を何回足しても0のままなので、答えるとすると「何回でもいい」ということになります。1回でも2回でも、0.5回などでもいいわけです。つまり「0÷0の答えは無限にある」ということです。
まとめ
計算順序はもちろん、0を含む割り算には注意が必要でしたね。
一度ルールを習ったものでも、どうしてそういうルールなのかを考えてみると数学はもっと面白くなりますよ。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文・編集(監修):うおうお
数学の教員免許を活かし、個別指導・集団指導の学習塾で主に数学の講師として小学生から高校生までを指導。現在は民間学童保育所で放課後児童支援員として勤務しながらフリーランスで受験指導もしている。日々、小学生の宿題指導を通して算数の魅力を深掘りし楽しく伝えている。
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