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「カープの歴代最強だと思うシーズン」3位「“1984年”古葉監督」、2位「“2018年”緒方監督」を抑えた1位は?【プロ野球ファン115人に聞いた】

  • 2024.5.16
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プロ野球における球団の運営母体はほとんどが大企業です。

例えば読売ジャイアンツと中日ドラゴンズであれば読売新聞社と中日新聞社が母体であり、阪神タイガースと埼玉西武ライオンズに関しては阪神電気鉄道と西武鉄道が球団を運営する立場にあります。資金力のある企業により今日のプロ野球が支えられていることは理解しておきたい点です。

このような中で他チームと一線を画す球団が広島東洋カープ。アメリカによる原爆投下で焼け野原となった広島の街で、市民が資金を持ち寄って創立した市民球団としての側面を持ちます。中四国地方で唯一のプロ球団ですが、これまでに日本一3回、リーグ優勝9回と堂々の成績を残しています。

そんな地域密着球団のカープですが、今回TRILLスポーツでは全国のプロ野球ファン115人に「歴代最強だと思う広島東洋カープの年代』のアンケートを実施。その結果を本記事にまとめました。なお、"最強"の定義は記録や数字ではなく、投票に委ねていることをお含みおきください。

それでは、トップ3にランクインした年代を当時の監督や選手の顔ぶれも交えながら早速ご紹介します。

【第3位】1984年・古葉竹識(14票)

第3位にランクインしたのは、今からちょうど40年前の1984年です。

温厚な見た目とは裏腹に内に熱い思いを秘める古葉竹織監督の機動力野球により、球団3度目となる日本一を達成しました。

4月に球団記録となる12連勝を飾りスタートダッシュに成功しますが、5月以降は中日ドラゴンズの粘りに苦しみ、2球団による激しい争いを展開します。そんな中、37歳の衣笠祥夫選手が打率.329、31本塁打、102打点で打点王とMVPを獲得。チームの中心として打線を牽引します。また、山崎隆造選手の39盗塁をはじめチームとしてもリーグ1位となる140盗塁に成功。現役時代に2度盗塁王に輝いた古葉監督を体現するような機動力野球で他球団をかき乱します。

投手陣も小林誠仁投手と大野豊投手、北別府学投手、山根和夫投手の4人が二桁勝利をマーク。小林投手と大野投手は2.20と2.94でリーグ防御率ワンツー・フィニッシュを飾りました。投手陣の安定感の高さでドラゴンズを3ゲーム差で振り切り、75勝45敗10分でリーグ優勝を飾ります。

阪急ブレーブスとの日本シリーズでは3勝1敗から連敗で足踏みしますが、最終戦は終盤に突き放して7-2で快勝。4年ぶりの日本一を本拠地である広島市民球場(当時)で決めました

1984年においては、リーグ優勝に加え日本一に輝く大活躍を見せたためです。(39歳・男性)
北別府、山根、川口、大野の四本柱に抑えの小林ががいて、チーム防御率リーグトップと投手力が強く、さらに山本や衣笠、高橋を中心とした打力もよく、投打が噛み合って日本一になったから。スター選手が多かった。(22歳・男性)
先発4本柱が活躍。打線も山本浩二、衣笠ら主軸とルーキーの小早川も活躍。投打でバランスの良いチームでした。

【第2位】2018年・緒方孝市(16票)

リーグ優勝9回の中で最も直近となる2018年が第2位に選ばれました。

当時、緒方孝市監督就任4年目。前年にリーグ1位ながらクライマックスシリーズで敗れた悔しさを晴らし、2年ぶりに日本シリーズへ駒を進めました。

2018年はリーグ3連覇がかかったシーズンでしたが、4月から首位をがっちりと固めます。交流戦こそ7勝11敗で12球団中10位の成績に終わりますが、大瀬良大地投手と鈴木誠也選手の投打の柱を軸にリーグ戦再開後は徐々に盛り返していきます。チーム成績で他を圧倒するような数字は多くなかったものの、リーグ1位の95盗塁と697打点は機動力を信条とする「赤ヘル野球」を象徴する数字。チームカラーを全面に押し出した野球で4月から一度も首位を明け渡すことなく、82勝59敗2分3年連続9度目のリーグ優勝を本拠地で達成します。2009年から本拠地のマツダスタジアムで飾った初の優勝でもありました。

クライマックスシリーズ・ファイナルステージではリーグ3位から勝ち進んだジャイアンツと対戦しますが、大瀬良投手、クリス・ジョンソン投手、九里亜蓮投手の先発が3戦連続で1失点と結果を出してチームも3連勝。初戦勝利後に4連敗を喫して日本シリーズ進出を逃した前年の借りを見事に返します。

福岡ソフトバンクホークスとの日本シリーズは初戦から延長12回引き分けにもつれ込むも、最終的には1勝どまり。2年前に続いてまたしても日本一の壁を超えられませんでしたが、球団記録かつジャイアンツに次いで2球団目となるリーグ3連覇は立派な記録です。

走攻守、すべてにおいて他球団を上回っていて、相手チームに全くスキを与えなかった。(40歳・男性)
開幕時から、ずっとセリーグ1位を維持しての、圧倒的強さで3年連続のリーグ優勝をした。日本一には、なれなかったけど、開幕から一度も首位を譲らなかったことが、この年の広島カープの好調さを物語っている。セリーグで、一番のチーム盗塁数95も、すごかった。(31歳・男性)
田中、菊池、丸などの最強打撃陣やジョンソンや野村という投手陣も揃っていた。日本シリーズでは負けてしまったが、最強だと思う。(30歳・男性)
その年の日本一になれなかったが、大瀬良選手や九里選手などの若手がのびのびはつらつとした強さのあるプレーばかりが目立っていたと感じたからであります。(49歳・男性)

【第1位】2016年・緒方孝市(30票)

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写真:SANKEI

堂々の第1位にランクインしたのはまたしても緒方孝市監督が指揮したシーズン。

監督2年目で25年ぶりとなるリーグ優勝を達成し、広島東洋カープ復活の礎を築いた2016年が最も支持を集めました。

同年は田中広輔選手と菊池涼介選手、丸佳浩選手の同学年トリオが「タナキクマル」を形成。シーズンを通じて打順1~3番を張り、3人合計で64盗塁と持ち味の俊足を活かして走りまくります。投手陣もクリス・ジョンソン投手と野村祐輔投手が二人で貯金を21つくる万全の働きを見せます。また、前年にチームに復帰した新井貴浩選手が打率3割と101打点、黒田博樹投手が二桁の10勝を上げる活躍。アラフォーコンビが奮闘し、若手とベテランが融合した充実の戦力で勝ち進みます。

最終的には89勝52敗2分。敵地東京ドームで25年ぶり7回目となるリーグ優勝をダブルプレーで決めます。四半世紀ぶりの歓喜に緒方監督が「7回」宙に舞い、ベテランの新井選手と黒田投手にも胴上げがおこなわれました。なお、チーム成績に関しては打撃と守備のほとんどの部門で1位を記録。2位ジャイアンツに17.5ゲーム差をつけるなど圧倒的な強さでペナントレースを戦い抜きました。

その後はクライマックスシリーズを危なげなく勝ちあがると、32年ぶりの日本一をかけて北海道日本ハムファイターズと激突します。初戦で大谷翔平投手を打ち崩し、第2戦は野村投手の好投もあって本拠地で幸先よく連勝を飾ります。第3戦以降も終始試合をリードしますが、土俵際で「うっちゃられる」試合が続きまさかの4連敗。日本一は逃しましたが、久々のカープ復活を示した2016年はファンにとって忘れられないシーズンです。

勝率.631は歴代最強年度監督だと思います。(63歳・女性)
黒田の最終年であり、25年ぶりにセリーグ優勝した年なので。(44歳・女性)
前田健太がいなくなって負けるかなと思ってたら、黒田と新井のベテランがチームをけん引して、若手も含めて本当に強かった。歴代最強に神ってたと思います。(33歳・男性)
広島の野村投手が最多勝を取り、打線が丸や菊池さらには鈴木誠也など多くのタレントを有して優勝をした記念すべき年だから。(60歳・男性)
結果としてみれば広島は3連覇しているが最初の優勝はファンの後押しがとても強い力となった。田中菊池丸といったバッターの出塁率で機動力を絡めた広島の伝統野球が出来ていた。投手もジョンソンを中心に先発中継ぎ抑えと盤石のリレーを作り上げた。(27歳・男性)

4位以下の選手とコメント

1979年・古葉竹識(12票)

日本シリーズも制覇した完全優勝の年。江夏豊加入で最強、広島の黄金時代だと思う。(42歳・女性)

1975年・古葉竹識(9票)

ファンやマスコミには温厚な応対をしたが、選手には厳しく指導した上で、巧みに選手起用をしてカープを初優勝に導いたから。(55歳・男性)

2017年・緒方孝市(4票)

リーグ優勝2年連続となり、安定した実績とカープ女子などファンにも盛り上がりを見せた時代だからです。(47歳・女性)

2023年・新井貴浩(4票)

若手とベテランを上手く起用しながらチーム力をあげていたから。(34歳・男性)

2024年・新井貴浩(4票)

2023に続いてですが、選手と同じ立場・目線に立って動いていると思うから。また、選手育成に力を入れているのが今後好転すると思うから。(31歳・女性)

結果はこちら

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TRILL作成

カープにとって最後の日本一である1984年もランクインしていますが、それを上回る得票数を獲得したのが2016年からのリーグ3連覇を果たした世代。カープ復活を強く印象付けた世代としてファンの支持を集めました。中でも「タナキクマル」の上位打線を築いて25年ぶりの優勝を果たした2016年と本拠地での優勝を決めた2018年がワンツー・フィニッシュを飾っています。


調査方法:インターネットサービスによる任意回答(記述式)
調査対象:全国の10代~70代
有効回答数:115

※記載している回答は原文ママ

※2024年5月1日時点での情報です。記事内の画像はイメージです。

※敬称は「選手」で統一しています。

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