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「鮮度が命!20分で樽交換」「黄金比率7:3は常に死守」鮮度も泡もお客さんも逃がさない!売り子の隠れた努力がすごかった…!

  • 2024.5.11
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写真:PIXTA

仕事終わりに飲むビールは美味しいですが、野球観戦で飲むビールもまた格別の美味さですよね。

特に自分が応援しているチームの試合を観戦しながらであれば尚更と思います。

一口にビールといっても缶や瓶、グラスなど手に持つ容器は色々ありますが、球場で飲む場合に多いのが紙やプラスティック製のコップ。これらのコップに売り子が背負っている樽からビールを注いでくれます。特に何の変哲もなくビールを注いでいるように見えますが、実はこれは大きな間違い。観客に美味しいビールを堪能してもらうために、私たちの見えないところや気付かないタイミングでは数多くの工夫がおこなわれています。この工夫とは一体どのような内容なのでしょうか?

そこで今回、TRILLスポーツでは「売りが美味しいビールを注ぐための工夫」を調査。元売り子から実体験をヒアリングしたうえで、選りすぐりといえる5つを本記事にまとめました。味自体の調整から接客術によるものまでその内容は様々。この工夫の有り無しで観客の満足度は大きく変わります。普段の姿だけでは分からない売り子の真髄を早速ご紹介していきましょう。

なお、以下の記載内容は全ての売り子に当てはまるものではないことをあらかじめご承知おきください。

1.【歩き方】

これまでに売り子の歩く姿を見て姿勢が良いなと感じたことはありませんか?実はこれ、ビールの美味しさを保つための工夫なのです。姿勢が悪い状態や弾むような歩き方をしてしまうと、樽の中に入っているビールが揺れて美味しさが抜けてしまうことがあります。このような事態を防ぐため、売り子は樽が上下左右に揺れないよう常に一定の速度を意識しながら歩いています。当然、走ることもNG。時には急いで対処するような事案が発生することもありますが、その際もあくまで歩いて観客の元へ向かうことが基本です。

2.【ビール樽交換】

売り子は樽の中身が空になると補充場所に戻って新たな樽を担ぎます。人気や実力が上がるにつれて補充回数も増えますが、樽に液体が残っている場合でも交換することがあります。これもビールを美味しい状態で観客に提供するための取り組み。金属製の樽に入っているとはいえ、長時間スタンドを歩き回っていると、ビールの醍醐味でもある冷え具合や鮮度が落ちてしまいます。ビールを飲む時は誰でも鮮度の高い状態で刺激や爽快感を味わいたいはず。観客ファーストの姿勢に立つことで「美味しいビールを入れてくれる子」という認知にもつながり、売り子にとってもメリットのある取り組みです。なお、中には20分おきに樽を交換する売り子もいます。

3.【注ぎ方】

ビールの黄金比率は「液体7:泡3」といわれますが、これは球場においても同じ。売り子は一番美味しく飲める比率でビールを提供します。しかし注ぐ際の出だしや樽の中身が減っている際は液体より泡の方が多く出てしまうこともしばしば。このような状況にも対処できように、通常売り子は腰回りに泡出し用のコップをセットしています。液体の割合が少なくなりそうな場合は、こちらのコップに泡を溜めて黄金比率に調整するという仕組みです。樽によっては泡出し専用のボタンやレバーが付いていることもありますが、いずれにしても、売り子はかなり神経を使いながらビールを注いでいます。

4.【声掛け】

売り子は自身を売り込むために観客へ積極的に声をかけます。大多数に向かって自身の存在をアピールすることもあれば、特定の個人に話しかけることもあります。特に後者の場合は売り子自身のタイミングではなく、試合状況を見ながら声掛けの判断をすることが多いです。観客目線に立てば、応援チームが得点した後の盛り上がっている時は財布の紐も緩み、ついビールを飲みたくなるものです。売り子はこのような観客心理を理解したうえで、約3時間ある試合の中でもタイミングを見計らいながら声掛けをおこなっています。

5.【世間話】

上述の声掛けと同じく、ビールの味そのものではなく接客を活かした工夫ですが、人気の売り子であればあるほど観客との「世間話」を大切にします。お金を払ってビールを受け取ればそれで成立する関係ではありますが、接客の際に野球やお互いのことを少し話すだけで距離も縮まります。短時間とはいえ、楽しく笑顔で会話をすることは観客の満足度を高め、ビールをより美味しく感じさせる魔法なのです。また、お客を気持ち良くさせる会話術を持つことで、おかわりや次回の購入に発展し、自身の報酬アップにつながります。


※売り子の取り組みは球場ごとに異なる場合があります。
※情報は4/29時点のものです。

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