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もしも“ヌートバー”が日本球界入りをするとしたら…補強ポイントにドンピシャな球団が…!

  • 2024.5.4
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写真:PIXTA

昨年春に行われたWBCで日系人初の侍ジャパンメンバーとして世界一に貢献したラーズ・ヌートバー選手。WBC後に行われたシーズンではケガによる離脱もありながら117試合に出場し、打率.261、14本塁打、46打点、11盗塁とキャリアハイをマーク。今季も開幕こそ負傷者リストで迎えましたが4月中に戦線に復帰し、名門カージナルスのレギュラーとしてプレーしています。

そんなヌートバー選手、将来的には自身のルーツでもある日本でのプレーを希望するコメントをしたこともあり、たとえば現役の晩年にNPB球団と電撃契約する可能性は十分。もちろん、「今すぐ」の話ではありませんが、“もしも今季、ヌートバー選手が日本球界入りを決断したと仮定した場合、はたしてどの球団にマッチするのでしょうか?そのプレースタイルや開幕から1カ月が経過した時点での各球団のチーム状況と照らし合わせて妄想してみましょう!

もしも今季ヌートバーが日本球界入りするとしたら、フィットしそうな球団は?

2024年4月終了時点で、ヌートバー選手のことをもっとも欲している球団は、ズバリ埼玉西武ライオンズです。今季は12球団屈指の先発投手陣を抱えながら得点力不足に泣くシーンがたびたび見られます。「絶対的なレギュラーと呼べるのは源田壮亮選手くらいですが、その源田選手もどちらかといえば「守備の人」のイメージが強く打線の核を担う存在ではありません。

もしもヌートバー選手が西武に入団したら……侍ジャパンで任された1番バッターはもちろん、メジャーで2年連続2ケタ本塁打をマーしている長打力から3~4番を任せることも可能なはず。不動のセンターとして攻守でチームを牽引してくれるでしょう。

セ・リーグでは読売ジャイアンツがもっともフィットしそうです。日本球界に帰ってきた筒香嘉智選手の争奪戦に参戦したことからもわかるように、「外野手左の強打者は最大の補強ポイント。開幕直前に新外国人のオドーア選手が緊急帰国し、ルーキーの佐々木俊輔選手や2年目の萩尾匡也選手、ベテランの丸佳浩選手らが奮闘していますが、レギュラーが固まっている内野陣と比較するとやはり心もとないのが現状。トップバッターも固定できておらずヌートバー選手はまさにドンピシャ」の選手です。また、人格者でもありメジャーでの経験も持つヌートバー選手の存在は、たとえば浅野翔吾選手や秋広優人選手といったチームを将来的に支えるであろう若い選手にとっても良き手本になるはず。戦力だけでなく、「メンター」としての役割も期待できそうです。

逆にフィットしなさそうな球団とは

逆に、フィットしなさそうな球団を挙げるとすれば阪神タイガース福岡ソフトバンクホークスでしょう。阪神は「1番センター」に近本光司選手がおり、不動の地位を築いています。ライトの森下翔太選手が一本立ちし、空いていると思われたレフトにも前川右京選手が台頭。正直、現時点で「外野手の補強」は不要です。ソフトバンクは周東佑京選手、柳田悠岐選手、近藤健介選手のレギュラーだけでなく新加入のウォーカー選手も控えるなど外野陣はむしろ飽和状態。もしもヌートバー選手を補強するのであればウォーカー選手の放出がマストになりそうです。

とはいえ、現在はメジャーリーグの舞台でレギュラーを務めるヌートバー選手ですから、本当の意味で欲しくない球団などあるはずがありません。侍ジャパン選出時から一部では「トップバッターにしては打率が低い」という指摘を受けることもありましたが、ヌートバー選手は選球眼に優れ、たとえば2022年には打率.228に対して出塁率.340、2023年は打率.261に対して出塁率.367と、高い出塁率を誇ります。四球を選べてスピードがあり、なおかつパンチ力も兼ね備える――。日本野球にもフィットしやすいタイプの選手と言えるでしょう。

今季27歳になるヌートバー選手は、当然ながらしばらくはメジャーリーグでプレーするはず。今季中の来日はあくまでも「妄想」にすぎませんが、将来的には日本のどこかでユニフォームを着て躍動する「タッちゃん」の姿が見られる日が来るかもしれません。それまでは、メジャーで躍動するヌートバー選手の活躍を、日本から精一杯応援しましょう!


花田雪
1983年、神奈川県生まれ。編集プロダクション勤務を経て、2015年に独立。ライター、編集者として年間50人以上のアスリート・著名人にインタビューを行い、野球を中心に大相撲、サッカー、バスケットボール、ラグビーなど、さまざまなジャンルのスポーツ媒体で編集・執筆。著書に『あのプロ野球選手の少年時代』(宝島社)『オリックス・バファローズはいかに強くなったのか』(日本文芸社)がある。

※数字はすべて4月24日終了時点

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