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「同じ列に同じ銘柄が入ってはいけない!?」「販売中一言も発さない唯一の時間」実は!な売り子のルール

  • 2024.5.4
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写真:SANKEI

ビールという野球観戦には欠かせない楽しみを提供してくれる売り子。

明るい笑顔と元気な声で球場の雰囲気を盛り上げてくれる存在でもあります。一見華やかな世界で働いているように見えますが、その裏側はとてもシビア。歩合制の給与体系を敷くところも多いだけに営業力が必要とされるのは基本ですが、実は協調性マナー遵守試合状況にアンテナを張るなど売れっ子になるためにはあらゆる「ルール」を意識する必要があります。一体どのような中身なのでしょうか?

そこで今回、TRILLスポーツでは「売り子間でのルール」を調査。元売り子から実体験をヒアリングしたうえで、4つのルールを本記事にまとめました。これらは球場で観戦した場合でもなかなか気付けないことばかり。グラウンドでプレーする選手と同様、厳しい環境の中で戦う売り子の実態をお伝えします。

なお、以下の記載内容は全ての売り子、全ての球場に当てはまるものではないことをあらかじめご承知おきください。

1.【同じ列に同じ銘柄が入ってはいけない】

売り子は球場内を自由に歩き回れるわけではありません、販売できる区画はあらかじめ定められていることが一般的です。そのため、限られたエリアの中でいかにお客を獲得できるかが勝負になりますが、同じ銘柄のビール樽を持つ売り子が歩いている列には入らないという暗黙の了解があります。これはお互いの聖域を守るという売り子界独特の考え方による影響が大きいです。また、仮に同じ銘柄の売り子が一人のお客を奪い合ったところで注文されるビールの量が増えるわけでもありません。争いごとはビールメーカーの悪印象にもつながるため、合理的な決まりといえるでしょう。

2.【販売できる時間は意外に短い】

試合状況や球場によっても違いますが、売り子が試合終了間際までビールを販売することはほぼありません。概ね7~8回あたりで販売を終了します。これはゲームセットの瞬間に球場を去る観客も多く、売り子が観客の帰りを妨げたり、ぶつかったりする事態を避けるためです。場内での事故やトラブルをできるだけ防止するという側面もあります。自己の利益を追い求めるばかりでなく、このように球場運営を理解することも売り子の仕事です。

3.【時には沈黙も必要?空気を読む力】

プロ野球の試合では国歌斉唱や始球式、時には表彰など様々なイベントが執りおこなわれますが、このようなシーンが観戦のモチベーションを高めてくれることもありますよね。売り子は自らの存在をアピールするため、できるだけ広範囲の客席にまで届くよう大きな声を出して歩きますが、上記のようなイベントの最中にそれはご法度。観客やイベントに携わる人達の気持ちを壊してしまいます。売り子にとってアピールすることは重要ですが、他の売り子と足並みを揃えて静寂を保つなど球場の空気を読む力も求められます。

4.【低姿勢】

注文が入った後に立ちながらビールを注ぐことは観戦の邪魔になるため、売り子は膝をついてしゃがんだ姿勢で接客にあたるのが一般的。観客の目線より下の位置に座るため、「おもてなし」を表すことのできる接客方法でもあります。また、距離が離れている場合は観客が手を挙げて売り子を呼ぶことも往々にあります。このような時に立った状態で接客にあたっていると、客の邪魔をするばかりでなく、他の売り子の売上損失をまねくことにつながりかねません。お互いにチャンスを無駄にしないためにも「低姿勢」は基本です。


※売り子の取り組みは球場ごとに違う場合があります。
※情報は4/28時点のものです。
※写真はイメージです

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