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「言われてみれば確かに!」実力世界で戦う、野球の"売り子"が目立つために実践していること5選

  • 2024.4.24
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写真:PIXTA

「美味しいビール、いかがですかー?」

観客にとっては耳馴染みのあるフレーズかと思いますが、よく通る大きい声と明るい笑顔の売り子に目を奪われた経験があるという人も多いのではないでしょうか。確かに、大きなビール樽を背負いながらユニフォーム姿で歩く姿はスタンドでも一際目立ちます。観戦に華を添えてくれる存在ですが、多くの売り子は固定給+歩合制となっており、観客に試合を楽しんでもらうというのもありますが、仕事という面ももちろんあります。

歩合によって報酬が左右する実力社会。大きく稼ぐためにはアピール上手になることが欠かせない大変な仕事でもあります。

そこで今回、元売り子に目立つために普段からおこなっている"実は"取り組み5選をお届けします。 一般的には知られていないことも多くありますが、いずれも個性を出すために編み出された努力の賜物。「言われてみれば確かにしてるかも!」というような一杯のビールを売るための取り組みをご堪能ください。

これらは全ての売り子に当てはまる訳ではないということをご承知の上でお楽しみください。

1.【パッと目に入る、ワンポイントを入れる】

観客の中には試合に夢中になっている人や応援に精を出す人もいるため、売り子にとってはいかに観客の目を引けるかが勝負ともいえます。売り子のユニフォームは、ピンクや黄色、黄緑、オレンジなど目立ちやすい蛍光色のユニフォームを着ることが多いです。しかし、これだけでは他の売り子と差別化が図れないため、自身の頭や帽子に"大きな花"を付けてより華やかさを出す売り子がいます。ひまわりやバラ、ガーベラ、ユリ、アジサイなど売り子によって付ける種類は異なりますが、花は売り子の魅力を増大させる大きなアイテムです。

中には少し路線を変えて帽子の上や肩の付近にぬいぐるみを置くこともあります。親子連れで観戦に来ている場合は、子どもがぬいぐるみに気付いたことを親に伝え、それを受けた親がビールを頼むといったシーンも思い浮かびますね。いずれにしろ、ワンポイントを入れて自身を目立たせることは売上を獲得するためにとても重要なことです。

2.【ファンの心を掴むバッジ】

こちらもワンポイントといえますが、バッジも自身を飾るアイテムの一つ。最近は「私は売り子です」や「staff売り子」といったように自身が売り子であることを示す缶バッチも登場していますが、試合をおこなっているチームの優勝記念バッジを帽子に付ける売り子もいます。

売り子は、ホームチームの野球ユニフォームを着るわけではなく、自身が販売するメーカーのユニフォームを着用します。

野球観戦に訪れている人の大半は試合をしているチームのファン。観客が応援しているチームのバッジを売り子が付けていれば自分の味方であるという心理がはたらき、「この売り子からビールを買いたい」といった導線も生まれるでしょう。特に優勝記念のような特異性のあるバッチを付けている場合、コアなファンであれば話題を振ってみたくもなります。

3.【首回りにもこだわり?タオルを巻く理由とは】

首回り、厳密に言えばユニフォームの襟にタオルを挟む売り子は多いです。ユニフォームとは別色のタオルであるほどよりカラフルな見た目の売り子となって観客の目を引きますが、タオルを身に付けるのは単純に汗を拭くためというシンプルな理由もあります。ドーム型の球場であればさほど影響はないかもしれませんが、阪神甲子園球場をはじめとした屋外の球場である場合、季節や天候によっては汗を拭く機会も多くなるでしょう。

ホームチームのタオルを身に着け、タオル端のチームロゴや、選手の背番号が見えるようにすることにより、ピンバッジと同様の効果をもたらすことも。

他には胸元の覗き見防止という側面も。売り子はビールを注ぐ際、観客の試合観戦の邪魔にならないために膝をついてしゃがむ姿勢を取ります。席に座る観客へは上を向いて接しますが、角度によっては不快な目線を浴びる可能性があり、これを未然に防ぐ役割を果たしているのがタオルです。

余談ですが、売り子からタレントデビューを果たしたほのかさんは、膝につけていたサポーターで自分のことを覚えてもらったと語っています。

4.【観客に親しみを与える名札】

特徴的なアイテムを身につけることもありますが、距離感を縮めるためには名札が有効です。売り子自身のニックネームなどを載せることで観客からも名前で呼んでもらいやすくなり、それがきっかけで固定客につながることもあるでしょう。

他にもちょっとしたプロフィールやキャッチフレーズイラストなど売り子の素顔を詰め込むことで会話が膨らむこともあり、観客に親しみを持ってもらうために、売り子はこのようなきめ細かい部分にも意識を向けています。

また、売上に貪欲な売り子は名札のスペースに「月間売上1位」といった表示をして自身の実績をアピールすることもあります。

5.【売り子定番のヘアスタイル】

帽子を被る売り子もいますが、ヘアスタイルも見た目の上では大切なポイント。髪が長い場合は男性受けの良いポニーテールやお団子にまとめて接客にあたる売り子が多いです。人の体に入る飲料を扱うだけに髪をまとめているのは清潔感も与えることができ、時にはスポーティーな印象にも映るでしょう。やはり同じ観客から買ってもらえるということは、売る上げ向上に繋がるため、顔が髪で隠れているより、表情が分かりやすいほうが覚えてもらえることも多いでしょう。

ちなみに、元グラビアアイドルで芸能界デビュー前に売り子のアルバイトをしていたおのののかさんもお団子ヘアです。


※売り子の取り組みは球場ごとに違う場合があります。
※情報は4/18時点のものです。

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