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「400ホールドまであと7」 今季いまだに1軍登板が無いが…ベテラン左腕が挑む前人未到の記録…!

  • 2024.4.28
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写真:SANKEI

2008年から16年間、毎年一軍のマウンドに上がっている北海道日本ハムファイターズの宮西尚生投手。

入団から先発登板は一度もなく、中継ぎ一本で勝負を続けるベテラン左腕です。そんな宮西投手ですが、前人未到の400ホールドにあと7まで迫っており、今シーズン中の偉業達成が期待されます。先発や抑えに比べスポットライトが当たりにくい中継ぎ投手にとってホールドのタイトルは数少ない勲章。勝利への貢献度が分かる重要な指標です。

今回はこれまでの宮西投手の実績も振り返りながら、400ホールド達成の見込みについて予想したいと思います。

【今シーズン中の400ホールド達成は可能か?】

プロ入り一年目から14年連続で50試合以上登板を続けた宮西投手。2022年は24試合、2023年は31試合と近年はやや登板ペースが落ちているものの、チーム最年長のタフネス左腕は今や北海道日本ハムファイターズにとって欠かせない存在です。上述のとおり400ホールドまではあと7の状況ですが、シーズン平均で20ホールド以上を積み上げてきた宮西投手の実績を考えると今期中の達成はほぼ確実でしょう。通算順位に目を向けても断トツの1位で、2位に座る元読売ジャイアンツの山口鉄也投手とは120の差。現役選手においても現在ソフトバンクホークスで中継ぎを務める又吉克樹投手の168ホールド(4/25時点)が最高であることをふまえると、この先宮西投手の記録を超える投手はなかなか現れないと思われます。実際に現時点の393ホールドは世界最高記録。ハイレベルなメジャーリーグの世界でも300ホールドを達成した投手は未だ一人もおらず、宮西投手の記録の偉大さがよく分かる数字です。

【球種は2つだけ?活躍できる要因とは】

180cm80kgとプロ野球選手の中では平均的な体の大きさに加えて、最高球速は140km台、持ち球は主にストレートとスライダーの2つと、突出した武器はあまりないようにも感じますが、中継ぎ投手としてこれだけ成功している要因は一体何なのでしょうか。まず一つ目に挙げられるのがスライダーの精度の高さです。ホームベースをわずかにかすめ、アウトコースぎりぎりに決まる曲がりの大きいスライダーは「国宝級の外角スライダー」とも称される芸術的な変化球です。また、独特の投球フォームも大きな武器。球の出所が見づらい左のスリークォーター投手という点だけでもメリットですが、勢いよく投球モーションに入った後はやや速度を抑え、最後に力強く腕を振る動作は打者にとって想像以上にタイミングが合わせづらい投球フォームです。高いスライダーの精度と独自の投球フォームを武器に今後もホールド数を積み上げてくれるでしょう。

【最多登板記録の更新にも可能性を残す】

数年後を見据えた時に期待できるのが登板数。2023年終了時点で歴代6位の839試合に登板にしています。上位5人は既に全員が引退している選手ですが、1位には中日ドラゴンズで現役生活を20年続けた岩瀬仁紀投手が君臨。1002試合と圧巻の記録を残していますが、宮西投手とは左のスリークォーターかつ入団時の球団一筋という共通点も目を引きます。岩瀬投手とは163試合の差が付いており、50試合程度の登板を3年間続ければ計算上は追いつきそうですが、宮西投手も2024年で39歳。年齢や近年登板ペースがやや落ちていることを考えると、ぎりぎり届くかどうかのラインになるかもしれません。そのため、まずは今シーズンのフル稼働に期待したいところです。

【大記録達成に向けて進めている「秘策」】

年齢面で不安を抱える宮西投手ですが、2024年シーズンに向けては万全の準備を進めています。疲労回復のため、今季から電気治療術をおこなう専属スタッフと新たに個人契約。年間を通してコンディション維持に励むことを目標にしています。また、開幕前の春季キャンプでは、新たに二軍投手コーチに就任した金子千尋氏の指導により「UFO」のようなチェンジアップを習得。現役時代に最多勝のタイトルを二度獲得した実績あるコーチから「回転を多くかけつつ、球が行かないように」と従来のチェンジアップとは逆転の発想を授かったことで、UFOのように真横に回転しながら落下するオリジナルのチェンジアップが完成しました。自身の武器でもあるスライダーにこのチェンジアップが加われば、年齢の壁を越えて行くことも可能でしょう。大記録となる400ホールド達成に向けては「何とか達成したい、しないといけない。自分のためっていう感じじゃない。期待してくれている人のために」と本人も強い思いを持っているようす。ここまで支えてくれた家族やファンのためにも是非達成してほしい記録です。


※情報は4/26時点のものです。

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