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「球児を見守る姿が素敵だった」まさかの俳優デビュー!?元巨人スーパーサブの第二の人生で“重要なポジション”を演じる

  • 2024.4.27
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プロ野球選手の中には独特のキャラクターを武器に引退後はタレントとなって芸能界で活躍する人もいます。

最近はSNSの普及に伴い、YouTuberやライバーなどに転身する選手も増加。選手時代の秘話や暴露話などの面白ネタを中心に現役の時には分からなかった素顔を画面上で見せてくれています。

元読売ジャイアンツの寺内崇幸氏も引退後にテレビに出たうちの一人。ただし、NHK連続テレビ小説に出演と他の元プロ野球選手とは一線を画す驚きの経験を持っています。引退後に一体どのような出来事があったのでしょうか。現役時代の成績も振り返りながら寺内氏の俳優デビューまでの道のりをご紹介します。

【現役時代はスーパーサブ】

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写真:SANKEI

2006年に読売ジャイアンツから大学生・社会人ドラフト6巡目で指名を受けた寺内崇幸氏。

ルーキーイヤーは一軍出場がありませんでしたが、2年目に背番号を69から「00」へ変更し、62試合に出場。一気に出場機会を得ます。一塁以外内野の全ポジションをこなせる守備力に加えて50m5秒9の俊足や犠打やセフティバントなどの小技を武器に、以後「スーパーサブ」として輝きを放ちます。2012年には「8番・セカンド」で開幕スタメンを勝ち取り、103試合に出場。翌年には前年をさらに上回る114試合に出場して、240打数54安打の打率.225、2本塁打、12打点、6盗塁とキャリアハイの成績を残しました。この2年間は準レギュラー級の活躍です。

しかし、当初から課題であった打撃で上昇することができず、徐々に守備固めや代走としての出場に切り替わります。35歳となった2018年は1年目以来となる一軍出場ゼロに終わり、同年オフに戦力外通告を受けました。

【記録以上に印象に残る活躍】

プロ12年間の通算で打率.218、5本塁打、39打点と大きな成績を残すことはできませんでしたが、随所に派手な仕事をしています。

特にキャリアハイとなった2013年の活躍は目覚ましく、夏場にはオールスターにも出場。左膝の故障で急遽出場辞退となったエクトル・ルナ選手の代役ではあったものの、ヘッドスライディングで内野安打をマークする気迫を見せており、お祭りムードを払拭するプレーを披露しました。また、同年のクライマックスシリーズでは当時広島東洋カープのエースであった前田健太投手から3ラン、東北楽天ゴールデンイーグルスとの日本シリーズでは田中将大投手からソロホームランを放ち、球界を代表する投手へ手痛い一発を浴びせています。

晩年の2017年にも34歳にして自身初となるサヨナラホームランを打つなど記録上の数字だけでは見えない活躍が光ります。

【俳優デビュー?NHK連ドラ出演の詳細】

現役引退後は独立リーグ・栃木ゴールデンブレーブスの監督に就任。就任翌年の2019年にはいきなり球団初となるリーグ優勝を果たすなどセカンドキャリア1年目は好発進を切りました。

監督2年目の2020年。この年NHKの連続テレビ小説では「エール」が放送されており、このドラマの主人公のモデルとなったのが、夏の甲子園の大会歌として知られる「栄冠は君に輝く」や読売ジャイアンツの球団歌「闘魂こめて」を制作した昭和の作曲歌・古関裕而氏でした。

寺内氏はこの古関氏とともに楽曲制作に携わり、栄冠は君に輝くの作詞を手掛けた加賀大介氏をモデルにした多田良介役として出演。作中で阪神甲子園球場での試合シーズンを描くにあたって、関係者が栃木県内の球場で撮影できる野球経験者を探していたところ、地元チームを率いる寺内氏と繋がったことが出演のきっかけでした。

子供の頃の怪我が原因で右足を切断し野球を断念して作詞の道へ進んだ加賀氏を伝えるため、撮影に向けては加賀氏の生涯を描いた映画「ああ栄冠は君に輝く」を参考にイメージトレーニング。現役時代、ふくらはぎの肉離れなどケガでプレーできないことがあった寺内氏が、撮影ではスタンドから松葉づえで選手のプレーを見守る多田良介を演じました。

なお、このシーンはエールの第100話という節目のタイミングで放送されています。

放送当時はSNSを中心に反響が大きく、セリフはなかったもののグラウンドを見つめる寺内氏の優しい表情に「球児を見守る姿が素敵だった」や「とってもステキな表情」と絶賛する投稿が相次ぎました。寺内氏は「野球が好きだという、この人の気持ちを自分なりに汲めることができたと思います」と語りました。

【現在も地元で活躍】

寺内氏は2024年現在も栃木ゴールデンブレーブスの監督を務めており、自身と同じく元プロ野球選手である成瀬善久投手吉川光夫投手川崎宗則選手らとともにチームづくりをおこなっています。

他にも栃木県内の小学生を対象にした「寺内崇幸杯争奪学童野球大会」を主催。「選手、指導者、保護者も全員で学童野球を楽しむ」を目的にこれまで4度大会を開催するなど地域密着型の取り組みをおこなっています。2024年度は栃木ゴールデンブレーブスの試合もおこなわれるエイジェックさくら球場で2月に開かれ、全14チームが参加しました。


※情報は4/25時点のものです。

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