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「言いたいこと代わりに言ってくれた」彼女だからこその“独特な間合い”、最終話まで話題の“毒舌ナレーション”

  • 2025.9.9

中京テレビ・日本テレビ系 水曜プラチナイト『海老だって鯛が釣りたい』が9月3日(水)ついに最終話を迎えた。主演の田辺桃子は、自称“価値のない小エビ”こと海老原唯子=海老子を演じ、失恋を機に理想の“鯛男”を探す旅を続けてきた。憧れの鯛島亮介(桜田通)、心を許せる水沼脩(中川大輔)、パク・ジョンス(EJ)、幼なじみの三浦拓未(草川拓弥)らとの出会いを経て、誰を選び、自分をどう肯定するのか…。その答えが最終話に示された。

脚本は鈴木裕那、演出は河原瑶、音楽は中村巴奈重。さらに特徴的だったのは、海老子が飼う小エビの声を、あのが担当していた点だ。彼女のユニークな語りが作品の独自性を支えていた。

※【ご注意下さい】本記事はネタバレを含みます。

海老子の選択と成長

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(C)中京テレビ

最終話は、鯛島からの告白を前に揺れる海老子の姿から始まった。憧れの存在に想いを寄せられるという状況は、かつての自分が夢見てきたものに違いなかった。しかし心の奥に浮かんだのは、水沼と過ごした穏やかな時間の記憶であった。

象徴的だったのが、水槽の中で動かないエビを見つめる場面。止まったままの小エビにかつての自分を重ね、もう立ち止まらずに進むべきだと悟る。そこから海老子は勇気を出し、鯛島の告白を断り、自分の言葉で水沼に思いを告げる。小エビを名乗り続けてきた彼女がついに“自分で選ぶ女性”へと変わった瞬間である。

水沼の優しい受け止め方も相まって、ラストは大げさな演出に頼らず、静かな温かさで幕を閉じた。派手さよりも確かな余韻が残る結末であり、主人公の成長を自然に際立たせていた。

SNSでは「1時間ドラマで見たいくらい好きだった」「あと10回は絶対みる」「最近こういうのが足りてなかった」など最終話の放送後も盛り上がりの声が聞こえている。

あのちゃん=小エビの声が生んだアクセント

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(C)中京テレビ

最終話でもあのが声を担当する“小エビ”は健在であった。鯛島の告白を断った海老子に対し、「タイをお断りなんて、えらくなったもんだわ」とちょっぴり毒舌なツッコミをしている。彼女のセリフは海老子の心の奥を代弁したり、時にツッコミを入れたりする役割を果たし、視聴者の気持ちを代弁する存在でもあった。

SNSでは「アクセントだった」「絶妙な存在感と適度な毒舌がよかった」「言いたいこと代わりに言ってくれた」といった反応が多く見られ、最終話においても作品を締めくくる効果をもたらしていた。あのだからできる独特な声質と間合いが、このラブコメを一味違ったものにしていたのは間違いない。

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(C)中京テレビ

『海老だって鯛が釣りたい』最終話は、ただの恋愛成就の物語ではなく、主人公が“自分を信じ、自分で選ぶ”という成長を描き切った回であった。鯛島という夢のような選択肢を断り、水沼を選ぶというラストは、誰かに選ばれる人生ではなく“自分で舵を取る人生”の象徴でもある。

そして、彼女が飼う小エビの声=あのが最後まで支え続けたことも忘れられない要素だ。軽妙で時に辛辣なその声があったからこそ、海老子の物語は単なるラブコメではなく、視聴者とともに悩み、笑い、成長する物語として響いたのである。


中京テレビ・日本テレビ系 水曜プラチナイト『海老だって鯛が釣りたい』毎週水曜24時24分

ライター:朝倉 結(あさくら ゆい)
主にドラマや映画に関する記事を執筆。お気に入りの作品は何度も繰り返し視聴し、その魅力を深掘りするのが好きです。


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