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大人が意外とわからない「三角定規のそれぞれの角度は?」《中学生でもわかる》

  • 2023.12.21
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製図や図面作成をしている人には当たり前かもしれませんが、三角定規は2種類がセットになっており、それぞれの三角形の角度まで決まっています。

その三角定規の角度を覚えているでしょうか?

そして、なぜそのような角度の三角形が採用されているか知っていますか?

今回は、「三角定規」の問題に挑戦してみましょう!

問題

以下の2種類の三角定規の角度を答えなさい。

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直角(90°)の角があるのは、すぐにわかるはずですが、残りの角度を覚えているでしょうか。

 

さて、今回の問題の答えは以下のとおりです。

a=45°、b=45°、c=90°
d=30°、e=60°、f=90°

解説

三角定規のそれぞれの角は、答えのとおりですが、なぜこのような角の三角形が「三角定規」として定められているのでしょうか。

実は、この2つの直角三角形は、それぞれ正方形と正三角形を二等分した形になっているのです。(同じ種類の直角三角形を2枚ずつ組み合わせると、正方形、正三角形を作ることができます)

正方形も正三角形も、どちらもすべての辺の長さと角が等しい図形です。そのような基本となる図形をもとにして直角三角形が作られているのです。

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小学校では、これら2枚の三角定規を組み合わせて、平行線を引いたり、垂線を引いたりする方法を学習したはずです。

中学生になると、それぞれの辺の長さの比を学習します。

それぞれの三角形が正方形、正三角形を二等分した形であるということを知っていると、辺の長さの比を覚えるのは難しくありません。

正方形を二等分した(45°、45°、90°)の直角三角形は、直角をはさむ2つの辺の長さが等しいですね。つまり長さは「1:1」になっています。

残りの辺の長さは「三平方の定理」から計算が可能です。すると、辺の長さの比は「1:1:√2」となります。

正三角形を二等分した(30°、60°、90°)の直角三角形は、二等分したことによって、底辺が正三角形の1辺の半分になっています。

つまり長さは「2:1」ですね。こちらも残りの辺の長さは「三平方の定理」から計算して、「1:2:√3」という比になります。

「1:1:√2」や「1:2:√3」という比を中学生時代に暗記したのではないでしょうか。

さらに高校数学になると、「三角関数」の単元でこれらの角度と辺の比を利用して考えなければいけません。
(三角関数は、サイン、コサイン、タンジェントというやつですね!)

三角定規の2種類の三角形、数学ではとても重要な形だったんですね!

まとめ

三角定規の角度は、小学校低学年で学習します。

日常ではそれを利用して考えるということは少ないですが、実は中学数学、高校数学へと繋がりのあるものでした。

簡単なことでも掘り下げていくと面白い発見があるかもしれません。この機会にぜひ数学の学び直しをしてみましょう!


文・編集(監修):SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」