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野球の審判はなぜ"アンパイア"と呼ばれているの?語源は野球のイメージがないフランス語だった...!?

  • 2024.3.3
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写真:PIXTA

一口に「審判」と言っても、レフェリー、ジャッジなど、その呼称はさまざま。また、日本では和名も存在していて、野球では球審、塁審と役割が分かれている場合もあります。

また、スポーツによって審判の役割は大きく変わり、サッカーのようにコート全体を動いて判定することや、野球のように特定の位置からあまり動かないようなものも存在しています。

野球ではアンパイアとも呼ばれる審判。なぜ呼び方が異なるのか、不思議に思ったことはありませんか?

そこで今回は、野球の審判の呼称「アンパイア」に注目。そのルーツを辿ります。

野球の審判の歴史と誕生

そもそも審判員とは、公式で定められたルールを細かく理解し、厳密でスムーズなゲーム進行と成立させる役割を持ち、最終的な判定を下す人のことを指します。。野球殿堂博物館には、1845年にアメリカで制作された「ニッカボッカ・ベースボールクラブ・ルール」という、初期野球の辞書とも言える書籍が収蔵されています。

そこに「アンパイア」という言葉が記載されていることから、170年以上前、すでに野球では審判員をそう呼んでいたことがわかります。

フランス語で裁定者・対等でない人・第三者を指す「umpire」が語源で、「非当事者」という意味を持ちます。スポーツ以外では、争いごとの「仲裁者」「裁定人」を指す場合もあります。。

また、ジャッジ(judge)は、本来の意味は「裁判官、判事」で、語源は「正しいことを言う人」という意味のラテン語です。レフェリーには「身元保証人」という意味があります。

所定の位置で判定を行うのがアンパイア

アンパイアは、野球やクリケットをはじめ、主に審判員が固定された位置で判定を行う競技に用いられます。

一方で「レフェリー」は、サッカーやラグビーなど、審判員が動き回り、その位置が固定されていない競技で用いられることが多いです。ただし、審判員がネット際で高椅子に座っているバレーボールにおいて、審判員をアンパイアと呼ぶことはありません。審判員が所定の位置に固定されているのか、あるいは常に動いているのか、それだけで呼称が決定されるわけではないようです。

ジャッジ、アンパイア、レフェリーの関係性と今後

これも一概には言えませんが、ジャッジはアンパイアを補佐する立場で、アンパイアは現場での決定権を持つ人、レフェリーは最終決定を下す人、というのが3者の関係性だという説が有力です。

なお、近年では、プロ野球の審判員を務めるための養成所である「NPBアンパイア・スクール」が定期的に開催されるなど、アンパイアの育成にも力が注がれています。直近では、2023年12月14日(木)~12月20日(水)6泊7日で開催され、実際にNPB球場に立っている審判員が抗議をするというイベントがありました。

プロ野球審判員を目指す人もいれば、技術向上を目的に参加する人もいるなど、受講理由はさまざま。受講した内容を地元に持ち返り、後進の指導に役立てる人もいるそうです。

審判の成り立ちを知ると、スポーツ観戦がより一層楽しいものになるかもしれませんね!


※情報は3月1日時点のものです。

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