1. トップ
  2. 「歴代最強だと思うスライダー」ランキング!3位「岩瀬仁紀」、2位「ダルビッシュ有」を抑えた1位は?【プロ野球ファン134人に聞いた】

「歴代最強だと思うスライダー」ランキング!3位「岩瀬仁紀」、2位「ダルビッシュ有」を抑えた1位は?【プロ野球ファン134人に聞いた】

  • 2024.4.22
  • 83510 views
undefined
写真:PIXTA

強打者がひしめくプロ野球において、投手として活躍するうえで欠かせないのが「変化球」です。

一昔前は直球と限られた球種のみで抑えるなど変化球をそれほど持たない投手も多く存在しましたが、近年は競技レベルの向上もあり、4~5種類ほどを持ち球にする投手も珍しくありません。

その中で多くの投手が身に付ける球が「スライダー」。スライダーと一言で言っても「横に滑るように曲がるスライダー」から「縦に落ちるスライダー」、球速が140kmを超えるような「高速スライダー」など軌道は様々ですが、これまで多くの一流投手がこれらの球を勝負球として使い、三振の山を築いてきました。

今回、TRILLスポーツでは全国のプロ野球ファン134人に「歴代最強だと思うスライダーを投げるピッチャー」のアンケートを実施。上位3選手の結果を記事にまとめました。なお、“最強”の定義は記録や数字ではなく、投票に委ねていることをお含みおきください。

それでは、トップ3にランクインした選手を早速ご紹介します。

【第3位】岩瀬仁紀(14票)

第3位に中日ドラゴンズで守護神として活躍した岩瀬仁紀投手がランクインしました。

得意のスライダーを武器にプロ野球史上最多となる「1002試合登板」「407セーブ」の通算記録をマーク。球史に名前を残すサウスポーです。

活躍の裏側にあったのは勝負球であるスライダー。打者の膝元まで食い込むほどの変化とキレがあり、当時の背番号「13」からタロットカードの大アルカナにあやかって「死神の鎌」と呼ばれました。打者のかなり近いところまではストレートの軌道で、そこから大きく曲がり始める変化球は、長年にわたりセリーグの打者を苦しめ続け、当時バッテリーを組んでいた谷繫元信捕手はメディアのインタビューの中で「左投手ではナンバーワン」と語っています。

細身の体ながらタフで、デビューイヤーから15年連続50試合以上登板、2004年シーズンからは11年連続20セーブ以上もマーク。プロに入るまでは決してエリート街道ではなかったものの、中日一筋で20年間プレーし、鉄腕ぶりを如何なく発揮したプロ野球人生でした。

現役引退後は野球解説者や野球評論家として活躍する他、6人の監督の下でプレーした点や大きなプレッシャーの中で結果を残し続けた経験を活かし、全国で講演会の活動もおこなっています。

歴代最高セーブ数を持っている岩瀬選手を選ばせてもらいました。あのスライダーはなかなか打てずキレがある変化球でした。スライダーと聞いて思い浮かぶ選手で最初に出てきたので選ばせてもらいました!(28歳・男性)
若い時の鋭角に曲がるようなスライダーも凄かったですが、抑えになったあたりから投げていた内外にベースをかするようにコントロールされたスライダーも印象的でした。(50歳・男性)
大きく変化するスライダーで数多の打者を圧倒してきたからです。大きく変化する球種はプロのバッターに見切られやすい特徴がありますが、岩瀬の場合はキレと落差があるので気持ち良いぐらいバッターが空を切ります。(32歳・男性)
真横に曲がると言うよりも滑るといった表現をされるほど横に大きく曲がっていて他の選手の投げるスライダーとは別格だと思うからです。(30歳・男性)

【第2位】ダルビッシュ有(16票)

undefined
提供:産経新聞

メジャーリーガーとして12シーズン目を迎えているダルビッシュ有投手が2位に入りました。

現在もなおハイレベルな球質を誇り、競合パドレスの先発投手として活躍しています。

ダルビッシュ投手の特筆すべき点は豊富な変化球。スライダー、カットボール、シンカー、カーブ、フォーク、チェンジアップ、ツーシームなど持ち球は11種類とまで言われており、中でも「腹切りスライダー」と呼ばれるスライダーは野球界でも屈指の精度です。通常のスライダーは親指がボールの下に置かれますが、この球種では横位置。リリース時に立てた手首を少しだけ体の内側に屈曲させることも加えるとボールに強烈な回転をかけることができます。「視界から消える」とまで称されるこの球は、メジャーリーグ全球団の監督を対象にしたアンケートのスライダー部門で1位を獲得したこともありました。

なお、日本代表に参加した際は、千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手や読売ジャイアンツの大勢投手など後輩へも「腹切りスライダー」を伝授。自身のスキルを隠すことなくオープンにしています。2023年末時点で196勝と、今年は日米通算200勝に王手がかかっていますが、異次元のスライダーを武器にすんなりと達成しそうな予感です。

ダルビッシュが高校時代から見ていますが高校生離れしたスライダーが印象的でプロに入ってからもさらに磨きがかかりNo.1だと思います。(39歳・男性)
全ての球が一級品で現在もメジャーで活躍しているのはもちろんのこと、WBCの決勝で三振を取ったスライダーは忘れられない。(25歳・男性)
あらゆる変化球を最高の状態で投げ分けられる最高のコントロールで投げ分けることが出来る投手だったから。(69歳・男性)
変化量がすごいだけでなく、変化の大小のコントロールもできたり、横への変化や下への変化、斜めへの変化と多彩に投球できるから。(30歳・男性)

【第1位】伊藤智仁(56票)

undefined
提供:産経新聞

スライダーと言えば真っ先に思い浮かぶのがこの投手ではないでしょうか。元・ヤクルトスワローズの“伝説投手”、伊藤智仁投手が堂々の1位に入りました。

プロ野球史上最強と称される「高速スライダー」で活躍。まさに記録にも記憶にも残る投手です。

スライダーは社会人の三菱自動車京都でプレーしていたときに習得。当時は社会人も金属バットを使用しており、如何に打者を抑えるかを考え続けた末に身に付けた球でした。1992年に出場したバルセロナオリンピックでは1大会27奪三振のギネス世界記録を樹立。各国の選手や首脳陣から絶賛の嵐を受けます。 その後は3球団による競合の結果、ヤクルトスワローズに入団。同年にプロ入りした松井秀喜選手をはじめ並み居る強打者から次々に三振を奪い、ルーキーながら7勝2敗、防御率0.91という圧巻の成績で新人王を獲得しました。

右腕を大きくしならせた躍動感のあるフォームから投げられる高速スライダーは、打者の手元までストレートと変わらない軌道をたどり、最後に大きくスライド。平均して80センチ、調子の良い時は何と1メートルも直角に曲がり、女房役を務めていた名捕手の古田敦也氏でさえ最初は捕球できないほどの鋭さでした。当時ヤクルトスワローズの監督であった百戦錬磨の名将、故・野村克也氏も著書『プロ野球怪物伝』(幻冬舎)の中で、「長年プロの世界で生きてきた私でも見たことがなかった」とその才能を称賛しています。

2021年からは古巣ヤクルトで一軍投手コーチを担当。若手への育成にも励んでいます。

現代では「スイーパー」と呼ばれるスライダー(ベースの隅から隅まで)を20年以上前の投げていた。誰も打てなかったです。(51歳・男性)
ルーキーで出てきたときに、スライダーとは思えないくらい鋭くて早い球で、バッターが全くタイミングを取れてなかったのが印象的で、あとにも先にもそれ以上のスライダーの使い手はいないと思います。(51歳・男性)
伊藤智仁の高速スライダーは子供ながらに打てない、当たらないと思わせる投球でした。右肘の故障が無ければもっと活躍して出来た選手です。(35歳・男性)
彼ほどキレが良く曲がるスライダーは見た事がないから。映像越しでも凄まじさが分かる稀有な変化球だと感じる。(39歳・男性)
とにかくスライダーの曲がり方が凄い!大きく曲がるスライダーをきちんとコントロールし、スライダーだけでもバッターを抑えられる。(55歳・男性)

4位以下の選手とコメント

大谷翔平(11票)

横に大きく曲がり、スピードもストレートに近い球速を誇りまた球威もあるので、打者はボールの下を空振りしてしまうスライダーを投げられる、彼が歴代最強のスライダーを投げられるピッチャーだと思います。(22歳・男性)

松坂大輔(8票)

球威のあるストレートを武器に複数のスライダーを投げ分けられるエース投手だったからです。また決め球にスライダーを多用していて相手打者は絶対分かっていたと思うのですが、それでも3振をとってしまう投球術を持っていたので挙げさせてもらいました。(41歳・男性)

斎藤雅樹(5票)

サイドスローからくり出されるスライダーはキレがあり、真横にスライドするようなボールでした。空振りが取れるボールで全盛期は打たれた印象がないピッチャーでした。(49歳・男性)

松井裕樹(4票)

高校時代に1試合22奪三振を達成。プロでもそのスライダーを生かし史上最年少200セーブを達成した。あの軌道のスライダーはなかなか打たれない。(30歳・男性)

結果はこちら

undefined
TRILL作成
undefined
TRILL作成

大物投手の名前がずらりと並びました。全体を見渡すと、右投げの本格派をはじめメジャー経験者が多い印象です。また、回答者は30代が多かったことで平成時代にNPBで活躍した投手が多くランクインする結果となりました。

ぶっち切りの1位となった伊藤智仁投手はテレビ画面越しでもはっきりと分かる大きなスライダーはファンの記憶にしっかりと刻まれています。あのスライダー以上の球を投げる投手は今後なかなか現れないかもしれませんね。


調査方法:インターネットサービスによる任意回答(記述式)
調査対象:全国の10代~70代
有効回答数:134

※記載している回答は原文ママ

※2024年4月19日時点での情報です。記事内の画像はイメージです。

※現在現役・引退をした選手に関わらず敬称は「投手」で統一しています。

の記事をもっとみる