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「わざわざ」は間違った敬語?上司に使わない方がいい言葉

  • 2023.12.20
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誰かにお礼を伝える時に、感謝の気持ちを込めて「わざわざありがとうございます」と表現したことはありませんか?
この「わざわざ」という言葉ですが、ビジネスシーンで敬語として目上の方に使っていいのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

今回は、知らないととても失礼になってしまう「わざわざ」の正しい意味や使い方、言い換え表現などを解説していきます。ぜひ参考にして、ビジネスシーンで正しい使い方をしてみてくださいね。

1.「わざわざ」の意味

わざわざの語源は、意識的に行動することを意味する古語「態々し(わざわざし)」という言葉です。

昔は、「意識して、わざとらしく」という否定的な意味で使用されていましたが、近年では「あえてしなくても良いことをしてくれた」という肯定的な意味も持つようになりました。意味が広がりつつある言葉ですが、本来の意味を知っている人に向けて言うと、ネガティブな意味で伝わってしまう可能性があるので注意が必要です。

2.ビジネスシーンで利用していいの?

「わざわざ」は副詞であり、敬語と組み合わせることが可能です。

目上の人やお客様などのビジネスシーンでも使用することができます。相手がしてくれたことに対して、感謝と敬意の気持ちを伝えられる言葉ですので、覚えておきましょう。ただし前述の通り、否定的な意味合いも含んだ言葉であるため、使う場面や言い方によっては相手に不快感を与えてしまう可能性もあります。使うときは十分に注意しましょう。

3.正しい使い方と間違った使い方

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相手が自分のために行動してくれたり、何か必要な情報を与えてくれた時などに、感謝の気持ちを伝えるために「わざわざ」がよく使われると思います。この感謝するシーン以外で用いると、違う解釈をされてしまう場合があるので、気になる方は避けたほうがいいかもしれません。

【正しい使い方】

例文:本日はお足元が悪い中、わざわざご足労いただきありがとうございました。
例文:わざわざご連絡をいただきましたこと、心よりお礼申し上げます。

【間違った使い方】

誤用:わざわざご連絡いただく必要はございません。 
言い換え:ご連絡いただく必要はございません。お気遣いをいただきありがとうございます。

誤用:わざわざご指摘くださり誠にありがとうございます。
言い換え:鋭い視点でご指摘くださり誠にありがとうございます。

4.言い換え表現

「わざわざ」を感謝するシーン以外で使いたくなったときのために、言い換え表現も覚えておきましょう。

  • わざわざお越しいただいたのに申し訳ありません。
    お忙しいところお越しいただいたのに申し訳ありません。
    せっかくお越しいただいたのに、不在で申し訳ありません。

 

  • わざわざありがとうございました。
    ご丁寧にありがとうございました。
    お忙しい中ありがとうございました。

「わざわざ」の意味を理解して適切に使おう

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「わざわざありがとうございます」のように相手に感謝の気持ちを伝えたい場合には敬語として使えます。しかし場面や状況により、失礼な意味で伝わるケースがあるため、注意が必要な言葉です。悩んだ場合には、別の言い換え表現なども取り入れて、適切な言葉を選びをするようにしましょう。

 

※記事内の情報は記事執筆時点の情報です。
※記事内の画像はイメージです。
※シーンなどによってマナーが異なる場合があります。



ライター:能美黎子(のうみれいこ/ Instagram:@reikonohmi
大学卒業後、新卒にて最大手保険会社にて約7年秘書の経験を経て、ITコンサル企業の社長秘書に転職。その後、数社の社長秘書を経験し秘書歴約15年となる。秘書検定準1級を取得。
今までの経験を活かし、接遇や礼儀作法、マナーなど“品格”を大事にした執筆作業を行なっている。