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「どっちを使うべき?」元秘書が教える、「力不足」と「役不足」の違い

  • 2023.12.4
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出典:PIXTA

誤用されることが多い「役不足」と「力不足」という言葉。皆さんは意味の違いを正しく理解していますか?

今回は「役不足」と「力不足」の意味の違いや、正しい使い方について紹介します。ビジネスシーンでしっかりと活用できるよう、正しく覚えておきましょう。

1.「役不足」の意味

「役不足」とは、「その人の能力に対して与えられた役目が軽すぎること」を意味します。もともと芝居をおこなう役者が、自分の配役が軽すぎることに対して不満をいう意味で使われていたそうです。

2.「力不足」の意味

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「力不足」とは、「与えられた役目を果たす力が足りないこと」を意味します。謙遜や謝罪する場面で使われることが多い言葉です。

3.「役不足」と「力不足」の意味の違い

上記の2つの意味合いを理解すると、「役不足」と「力不足」は反対の意味を持つ言葉ということがわかります。

役不足は、与えられた役目より人物の力量が大きく、「力不足」は与えられた役目より人物の力量が小さいことを表現する言葉。ここの違いをしっかり理解しておきたいところです。

例えば、自分にはこの仕事をするだけの力が足りないと謙遜して伝えたい場合には、「力不足」が適切な表現になります。

4.正しい使い方と例文

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では「役不足」と「力不足」どちらの言葉を使うべきかを例文で確認していきましょう。

  1. 私は未熟なため、このような仕事は役不足だと思います。
    →正解は「×」。この場合は自分の力が足りないことを表現するため「力不足」が正解です。

  2. 「部長として力不足ですが、精いっぱい努めて参ります」
    →正解は「○」。この場面で「役不足」を使ってしまった場合、部長という役職は「自分に相応しくなく、不満である」という意味
    になってしまうため、注意しましょう。

  3. 「あなたにこのような仕事をお願いし、役不足で申し訳ない」
    →正解は「○」。仕事を依頼したい場合に、「力量に対して小さな仕事をお願いして申し訳ない」と思っていることや「あなたには、この仕事以上の力がある」との両方の意味合いを込めて仕事を依頼できます。

「役不足」を使う際は特に注意しよう

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「役不足」と「力不足」、それぞれの意味を覚えることができましたか?人の力量を表現する言葉ですから、特に正しく使いたいところです。

また「役不足」と「力不足」は混同されがちな言葉なので、正しい意味で用いたとしても相手の認識が違う場合も。失礼な印象を与えてしまわないか心配な場合は、意図が伝わりやすいように補足したり、わかりやすい言葉に言い換えるなどの工夫をしてもいいかもしれません。

 

※記事内の画像はイメージです



ライター:能美黎子(のうみれいこ/ Instagram:@reikonohmi
大学卒業後、新卒にて最大手保険会社にて約7年秘書の経験を経て、ITコンサル企業の社長秘書に転職。その後、数社の社長秘書を経験し秘書歴約15年となる。秘書検定準1級を取得。
今までの経験を活かし、接遇や礼儀作法、マナーなど“品格”を大事にした執筆作業を行なっている。