電卓を使うのに慣れている大人にとって、紙とペンだけで計算を解くことは案外難しい挑戦かもしれません。
とくに小数点が絡んだわり算は、思いのほか頭を悩ますことがあります。
今回の問題は小学生の算数レベルですが、このシンプルな計算に自信を持って正解できますか?
それでは、挑戦してみましょう。
問題
次の計算を行い、商とあまりを求めてください。
5.7÷0.7
小数点の扱いに注意しつつ、商とあまりを求めてみましょう。
このような小数を含む計算でも、整数で表すことができるでしょうか。大人の皆さんでも、意外と自信のない方は多いのでは…?
答えはわかりましたか?
正解は「8あまり0.1」です。
解説
「0.8あまり1」や「8あまり1」と考えた方も多いのではないでしょうか。
今回の問題のポイントは「小数点をどう処理するか」です。
そこで
わる数とわられる数に、同じ数を掛けたりわったりしても、商は変わらない
という性質を利用します。
例を見てみましょう。
- 10÷2=5
- 1÷0.2=5
- 0.1÷0.02=5
上記の例を踏まえて、「5.7÷0.7」の計算を考えます。
わる数とわられる数がどちらも10倍されても、商は同じだという性質を利用します。
「5.7÷0.7」を解くためには、5.7を10倍して57に、0.7も10倍して7にします。
それにより、小数を含むわり算を整数のわり算に変換できるのです。
計算は以下の通りになります。
57÷7=8あまり1
しかし、「5.7÷0.7=8あまり1」となるわけではありません。
0.7で割っているにも関わらず、1あまるというのは、あまりが大きすぎますね。
この「1」は10倍されたあとのあまりなので、実際には0.1になります。
したがって、「5.7÷0.7」の答えは、「8あまり0.1」です。
まとめ
小数を含むわり算は、苦手意識を持っている方も多いのではないでしょうか。
今回の問題を機に、計算の仕方を再確認してくださいね!
文・監修:SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。