数の大小を比べる問題では、地道に計算することで答えを出すことができますが、少しの工夫をすることで簡単に答えを求めることが可能な場合もあります。
今回は、計算の工夫の仕方を考えることによって、楽に計算する方法を身につけましょう!
問題
500²と499×501、どちらが大きいでしょうか。
A. 500²の方が大きい
B. 499×501の方が大きい
C. どちらも同じ
500²は、500×500のことです。
499×501は2つの数をかけ算していますが、それぞれ「1だけ小さい数」と「1だけ大きい数」に変えることによって、計算結果はどうなるでしょうか。
もちろん実際に地道な計算をしてみるというのもひとつの解き方です。
しかし、実は最後まで計算しなくても、どちらが大きいかわかる方法があります。
さて、今回の問題の答えは「A. 500²の方が大きい」です。
解説
どちらが大きいのかを比べるために、式変形を考えましょう。
今回、式変形をするのは499×501の方です。
もともと500×500だったものを、それぞれ「1だけ小さい数」と「1だけ大きい数」と考えます。
式で表すと次の通り。
499×501=(500-1)×(500+1)
499は、500より1だけ小さいので、500-1、
501は、500より1だけ大きいので、500+1と表すことができます。
この式を展開してみましょう。
この展開は、次の公式を使うとわかりやすいのではないでしょうか。中学校で学習する「展開・因数分解」の単元で出てくる公式のひとつです。
(x+y)(x-y)=x²-y²
この公式でx=500, y=1となるのが今回の計算です。
つまり、計算結果は500²-1となります。
途中の計算をまとめると以下のようになります。
499×501
=(500-1)×(500+1)
=500²-1
したがって、500²と499×501、どちらの方が大きいのかという問題でしたが、499×501=500²-1となり、こちらの方が1だけ小さい数ということになりますね。
つまり500²の方が大きいということです。
まとめ
500²は暗算でできても、499×501は少し大変ですよね。
しかし、(500-1)×(500+1)という見方をするだけで、式変形が簡単にできてしまいます。
ちなみに、500²-1=250000-1=249999と、実際の値を計算するのも、この方法を使えば楽に計算ができますね。
ぜひこの計算方法を活用してみてください!
文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」