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「夏休みの宿題を持ってこなかった子を責めないで」 職員会議で教頭が伝えた言葉がネット上で話題に

  • 2023.9.9
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画像:PhotoAC

夏休み終了直前、真っ先に話題に上がるのが「夏休みの宿題」ではないでしょうか。すぐに済ませてしまう子もいれば、ギリギリまでやらない子、またやり忘れのある子もいるでしょう。

その夏休みの宿題について、職員会議で教頭先生が言ったある言葉を、小学校の先生をしているエイ(@zikatu1)さんがX(旧Twitter)上に投稿して話題になっています。

こちらの投稿をご覧ください。

※下記の日付のリンクをクリックするとX(旧Twitter)に移動します

エイ(@zikatu1) 2023年8月27日
教頭先生が会議で 「みなさんにお願いがあります。夏休みの宿題を持ってこなかった子を責めないであげてください。私も昔やっちゃったけど、いろんな家庭があるし、2学期のスタートも崩れるし、何より先生もしんどくなります。初日は“よく来たね“って迎えましょ」と。この言葉に子どもも先生も救われた

エイさんは、この教頭先生の言葉に“救われた”と感じたとのこと。夏休みの宿題が生徒だけでなく、先生たちにとっても負担の大きな存在であることがわかります。

この会議をきっかけに「宿題の目的」について学校全体で改めて考えるようになり、「そもそも夏休みの宿題は必要なのか」ということを、これから検討していくことになったそうです。

教頭先生の発言後の変化について

今回の投稿内容である教頭先生の発言について、エイさんにお話を伺いました。

---教頭先生の言葉を聞いた時、どんな感想を持たれましたか?

「私は、とても大事な視点だなと共感しました」

---周りの先生方の反応なども教えてください。

「会議後には中堅の先生が若手に『自分も提出物を最後までやらせることにこだわってた時期があるけど、結果的に子どもも教員もしんどかった』と自身の経験談を話していました」

---会議では共感の意見が多かったのでしょうか?

「未提出を許すことは『真面目にやってきた子が納得しないのでは?』という疑問の声もありました」

---教頭先生の言葉を受けて、先生方は何か変わりましたか?

「この(教頭の)言葉をきっかけに、『宿題の目的とは?』を考えるようになりました。そこで、先生たちの意識調査をアンケートで行ったところ、多くの先生が、夏休みの宿題の目的は『学習習慣の維持』と回答しました」

---アンケートの結果で気づいたことはありますか?

目的と対策のズレです。少し難しい話になってしまいますが、『やってこなかった』という結果は、習慣化できなかったという事実であって、最後までやらせるために休み時間や家でさせても、負担が増えるだけで学習習慣は作れない。つまり、目的とずれてることに気づかされました。教員も子どももしんどくなる理由は、目的とのズレにあったからだとわかりました。『やらせることではなく、やりたい子に育てる』そこを大事にしようという意識に変わってきました」

---意識の変化があったのですね。

「目的を考える中で、変わったことがあります。それは『そもそも夏休みの宿題は必要なのか』という視点です。出すことが“あたりまえ”になっていたけれど、『本当に必要なのか?』という声もあがりました」

---結論は出たのでしょうか?

「これについては、来年に向けて、学術的な効果や、出していない学校との比較をしながら、方法を検討していく予定です」

---難しい問題ですが、多くの人が納得する方法が見つかるといいですね。

教頭先生の人柄についても伺いました!

---教頭先生はどんな方でしょうか?

「教頭は、普段から職員のこと、子どものことをよく考えている方で尊敬しています。特に、気さくに話してくれるだけでなく、見えないちょっとした仕事に対しても労いの言葉を必ずくれます。例えば会議で使う資料でも、できるだけわかりやすくしよう、また、終礼では、参観した先生の授業のよかったところを全体に伝え、授業の視点を共有しようとされています」

---教頭先生は普段から、先生方の心に残るような発言をする方なのでしょうか?

「教頭とは、同じバスで通勤するためよく話をするのですが、この話をする前に『管理者がこんなこと言っていいのかな?』と悩んでいました。先生方はいろんな考えを持っているからです。でも自分の失敗から子どものためにベストだと思うことをしようと決心していました」

---教頭先生に対する他の先生方の反応はいかがですか?

「(教頭は)今年の4月に来られたのですが、先生たちが気持ちよく働け、かつ子どもが楽しく学べる学校にしようと行動する姿勢に、職員室の雰囲気が変わってきました。今では私や同僚にとって『こういう教頭を目指したい』と目標にしている理想の上司です」

---教頭先生が他の先生方に良い影響を与えていることがよくわかりますね!

投稿にはさまざまな声が

この投稿を見た人たちからは、さまざまな意見が寄せられていました。

共働きには小学校の宿題がエグすぎ。減らしてほしいとかではないけど、お盆休み含め、朝夜も一切隙間がない。お盆からはもう限界で毎日泣いてた。子供も大変だったと思う。先生が温かく迎えてくれるだけで救われる家があることを知ってほしい。
教頭さん素晴らしい!来たこと、元気なことが何よりですよね
宿題は目的というよりは手段であるべきなんだと思います。
やらなかった子どもはやらないなりの理由があるからまあそこまでケアしなくていいとは思うけど、しっかり宿題持ってきた子はちゃんと褒めてほしい

夏休みの宿題をやってくる子もいれば、やってこない子もいるので、夏休みの宿題の出し方については、今後もまだまだ色々な意見が出てきそうですね。

来年の夏休みまでに、どんな結論が出るのか注目していきましょう!



文/構成:TRILLニュース

提供:エイ(@zikatu1)さん

※画像はイメージです