電話対応での敬語、正しく使えていますか?
メールでは、送信ボタンを押す前に今一度確認ができますが、電話では敬語や言い回しの確認ができません。一度言ってしまったことはなかったことにできないため、大人として、普段から正しい敬語を身に付けておく必要があります。
そこで今回は、仕事の電話で間違えがちな表現をご紹介します。恥ずかしい思いをしないように、間違って覚えてしまっている言葉や癖で使っている言葉は、意識して直していきましょう!
1.「お名前を頂戴できますか」
相手の名前を聞くときによく使ってしまうフレーズが「お名前を頂戴できますか」です。しかし、「名前を頂戴する」というのは間違い表現。「頂戴する」は「受け取る」という意味となりますが、名前や電話番号は、相手から「受け取る」ものではありません。名前を聞くときは、「伺う」を使いましょう。
〈正しい使い方〉
- 「お名前をお伺いしてよろしいでしょうか」
- 「恐れ入りますが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
- 「恐れ入りますが、お名前をお聞かせ願えますでしょうか?」
2.「分かりました」「了解しました」
「分かりました」「了解しました」も丁寧な表現ではありますが、ビジネス表現では相応しくありません。謙譲語である「かしこまりました」や、「聞く」の謙譲語である「承る」を使った「承知いたしました」を使うようにしましょう。
〈正しい使い方〉
- 「かしこまりました」
- 「承りました」
- 「承知いたしました」
3.「声が小さいのですが」
相手の声が聞き取りにくい場合に「お声が小さいのですが」という言葉を使っていませんか?電話の相手に非があるような印象を与えてしまうため、「声が小さい」というフレーズはNGです。
〈正しい使い方〉
- 「お電話が少々遠いようです」
- 「恐れ入りますが、少々お電話が遠いようでございますが」
4.「お電話をお回しします」
「電話を回す」という表現は、「たらい回し」を連想させてしまうためNGとなります。電話を「お繋ぎします」に言い換えましょう。
〈正しい使い方〉
- 「お繋ぎします」
- 「担当部署にお繋ぎいたしますので、少々お待ちください」
5.「お休みをいただいております」
上司が休みであることを伝えなければならない場合に、使われてしまいがちなのが「○○はお休みをいただいております」です。しかし、休みは相手からもらうものではなく、自分で取るものなので「いただく」という表現は間違いです。
- 「○○は本日休みを取っております」
- 「申し訳ございません、◯◯は本日休みを取っております」
- 「申し訳ございません、本日◯◯は、終日不在にしております」
正しい敬語を身に付けて!
気づかないうちに間違った敬語を使っていた方もいたのではないでしょうか。自分は大丈夫と思わずに、この機会にもう一度、自分が使っている敬語を見直してみてくださいね。
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ライター:能美黎子(のうみれいこ/ Instagram:@reikonohmi)
大学卒業後、新卒にて最大手保険会社にて約7年秘書の経験を経て、ITコンサル企業の社長秘書に転職。その後、数社の社長秘書を経験し秘書歴約15年となる。秘書検定準1級を取得。
今までの経験を活かし、接遇や礼儀作法、マナーなど“品格”を大事にした執筆作業を行なっている。
編集:TRILLニュース