葬儀に参列したときや法事の際に「焼香(しょうこう)」をあげますよね。しかし、みなさんはそもそも焼香をあげる意味やマナーについて、正しく理解できているでしょうか?
そこで今回は、株式会社メモリアルアートの大野屋の杉山奈緒さんに取材をさせていただきました。実は、焼香って宗派によっても違いがあるものなんですよ。この機会に、しっかり覚えていきましょう。
焼香って何?
--初めて葬儀に参列した際、焼香の正しいあげ方が分からずに困ってしまったことを覚えています。
杉山さん:無理もないかもしれませんね。
--そもそも、焼香ってどのようなものなのでしょうか?
杉山さん:焼香とは、香りによって心を清め、故人を供養するという仏教の作法です。香木を細かくした抹香を、香炉にくべます。
--焼香って独特な香りがしますが、それにもとても重要な意味があったんですね。
焼香の基本的な正しいあげ方とは?
--次に、焼香の正しいあげ方について、基本となるものを教えていただけますでしょうか?
杉山さん:まず、祭壇に向かって一礼します。抹香を三本指でつまんで目の高さまでおしいただき、静かに香炉にくべます。宗派によって焼香の回数が異なります。焼香を終えたら、合掌し、席に戻ります。
--ありがとうございます。宗派によって違いがあるんですね。
杉山さん:そうなんです。例として、いくつかの宗派の焼香の回数をお伝えしますね。
・天台宗・・・特に決まりはないが通常2回
・真言宗・・・通常3回
・曹洞宗・・・特に決まりはないが通常2回
・臨済宗・・・特に決まりはないが通常1回
・浄土宗・・・特に決まりがない。1回、3回など
・浄土真宗大谷派(東)・・・額におしいただかず2回
・浄土真宗本願寺派(西)・・・額におしいただかず1回
・日蓮宗・・・通常3回
--なるほど。回数の違いだけでなく、額におしいただく場合やそうでない場合があるんですね。
焼香をあげる順番について
--最後に、焼香をあげる順番について教えていただけますでしょうか?
杉山さん:読経が終わると、まず僧侶が焼香し、続いて喪主、遺族、親戚など祭壇に近い順(故人と関係が近い順)に焼香します。一般弔問客は、焼香の前に遺族に一礼するとよいでしょう。
葬儀に参列する際は宗派を確認しよう
今回は焼香に関する基礎知識やマナーなどを伺いました。宗派によって回数や作法に違いもあるため、葬儀に参列する際は、事前に宗派を確認した方がよいかもしれませんね。
取材したのは…
取材:株式会社メモリアルアートの大野屋
杉山奈緒
2016年メモリアルアートの大野屋に入社。年間2万6千件を超えるお葬式、お墓、手元供養、無料仏事相談・お問合せを承ってきた「大野屋テレホンセンター」で仏事アドバイザーを務める。お墓ディレクター2級、仏事コーディネーターの専門資格を保有。豊富な知識と落ち着いた語り口でお客様に寄り添った回答が強み。『みんなの記事監修』でも葬儀・お墓・仏壇・終活・仏事マナーの専門家として活躍中。