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「車が急に動かなくなった!?」【バッテリー上がり】でやってはいけないNG行動と原因って?

  • 2023.7.4

車のエンジンが急にかからなくなってしまった…というトラブルに見舞われたことはありませんか?考えられる原因の1つが、「バッテリー上がり」です。では、バッテリーが上がってしまったら、どのような行動を取ればよいのでしょうか?

今回は、車検・タイヤ交換・カー用品販売など、車に関するサービスを幅広く扱っている、オートバックスセブンの平田さんに取材。バッテリー上がりの原因や、対処方法を詳しく教えていただきました!

車の「バッテリー上がり」って?

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--そもそも車のバッテリーは、どんな役割を担っているのでしょうか?

平田さん:車のバッテリーは、ヘッドライトやウインカー、エアコン、ドライブレコーダーなどに電気を供給するために搭載されています。なかでも、「スターターモーター(セルモーター)」は、エンジン始動のために欠かせない部品です。

そもそもバッテリーとは、繰り返し充電ができる“蓄電池”のことを指します。車内外にある部品・装備に電気を供給するために、常に電気を蓄えているんです。

--「車のバッテリーが上がっている」のは、どのような状態なのでしょうか?

平田さん:バッテリーに蓄えられていた電気が、放電してしまった状態です。完全に放電していなくても、スターターモーターを回すための電気を供給できなくなっている場合、バッテリーが上がっています。

--なるほど!では、バッテリー上がりが起こる原因を教えてください。

平田さん:理由はさまざまですが、主に考えられる原因を5つご紹介します。

(1) 長期間車に乗らず、エンジンを動かしていない

車のバッテリーは「自然放電」といって、自然に電気を放出しています。長い期間車に乗らなかったり、エンジンをかけなかったりすると、バッテリー上がりを起こしてしまいます。

たとえば、1か月以上車を動かさず、バッテリー容量の60%以上を放電すると、エンジンを始動できなくなる可能性が高くなります!

(2) 短距離や低速の走行が多い

短距離走行や低速走行しかしていないと、バッテリーに十分な充電が行われません。特に、1回の乗車あたり8km未満の走行は、自動車メーカーが「車に対する負荷が高くなる」として注意喚起する「シビアコンディション」に該当します。

シビアコンディションでの運転を繰り返すと、バッテリーだけでなく他の消耗部品へのダメージも大きくなります。

(3) ライト類がつけたままになっている

エンジンの停止後、室内灯のスイッチを切らずに降車してしまうと、次に車に乗るときまでバッテリーの電気を消費し続けることに。その結果、バッテリー上がりを起こしやすくなります。

(4) バッテリーやオルタネーターのトラブルがある

バッテリー上がりを引き起こす原因として、バッテリー自体のトラブルも考えられます。たとえば、バッテリー液が足りずに十分な性能を発揮できていなかったり、バッテリーの劣化によって交換時期が近づいていたりする場合です。

バッテリーは2年程度で交換しましょう(高性能バッテリーは3年が目安)。また、バッテリーではなく、バッテリーを充電するための「オルタネーター」の不調も考えられるので、あわせてチェックしてくださいね。

(5) バッテリーの電圧が低下している

「電圧」とは、バッテリー内にある電気を、車内の電装系に送り出す力。電圧が低下すると、スターターモーターの回転がスムーズにいかず、エンジンがかかりにくい、ヘッドライトが暗く感じる、ワイパーやパワーウィンドウの動きが緩慢に感じる、などが発生しやすくなります。

本当に「バッテリー上がり」?勘違いされやすいトラブル

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--バッテリー上がりとよく間違えられるトラブルはありますか?

平田さん:よく間違えられやすいトラブルは主に4つです。エンジンの始動ができない場合に、バッテリー上がりと思われる方がいるようです。

(1) イモビライザーキーの問題

「イモビライザーキー」とは、車両盗難防止システムが搭載された車の鍵のことを指します。キーバッテリーが切れている場合や、キーが正しくプログラムされていない場合、エンジンがかからないことがありますよ。

(2) 燃料切れ

車の燃料が切れている場合、エンジンは始動しません。燃料計が正しく表示されていない、もしくは、長い間給油していないと、燃料が原因でエンジンがかからず、バッテリー上がりと勘違いされることがあります。

(3) イグニッションスイッチの故障

「イグニッションスイッチ」とは、自動車のエンジンをかける起動スイッチ。スイッチの内部に問題がある場合や、接触不良がある場合、エンジンがうまくかかりません。

(4) 電気系統の故障

バッテリーの他にも、車の電気系統に故障があると、エンジンがかからないことがあります。セキュリティシステムのトラブルや、配線の断線、ヒューズの切れなどが考えられます。

バッテリーが上がった!NG行動は?

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--車のバッテリーが上がったときに、やってはいけないことを教えてください。

平田さん:気をつけてほしいことは3つあります。

1つ目は、火気を近づけること。 バッテリーが充電されていない状態で発生するガスは、引火性があります。近くでタバコを吸ったり、火を使った作業を行ったりするのは厳禁です!

2つ目は、長時間放置すること。バッテリーが上がった場合、充電すれば再度使用できる可能性がありますが、長時間放置すると完全に放電して取り返しがつかなくなることも…。再度使用できるのか、早めに点検してもらいましょう。

3つ目は、誤った方法で「ジャンプスタート」すること。ジャンプスタートとは、バッテリーが上がったときに、他の車に接続して電気を給電する手段です。

バッテリーを充電するためにジャンプスタートを行う場合、正しい手順を守って行わなければいけません。間違った方法でジャンプスタートすると、バッテリーや電気系統にダメージを与える可能性があります。

--バッテリー上がりを防ぐために、できることはありますか?

平田さん:目視で劣化状況を確認できるバッテリーを使ってみてください。

事前にバッテリー上がりを防げるうえに、まだまだ使えるのにバッテリー交換してしまうような、不要なバッテリー交換を回避するための判断材料にもなるので、おすすめですよ!

バッテリーが上がっても冷静に対処しよう

バッテリー上がりの原因や、バッテリーが上がった際のNG行動を紹介しました。バッテリー上がりだと思っても、他のトラブルが原因でエンジンがかかっていない場合があります。

バッテリー上がりが起きてしまったときは、平田さんのお話を参考にして、焦らず冷静に対処してくださいね!

今回取材したのは…

取材した方:平田 義範さん
オートバックスセブン メンテナンス商品部 メンテナンス商品課



編集:吉田穂菜美(TRILLニュース)イラスト: vaguely(Instagram / HP