冷蔵庫に食品を収納する際、配置に気を遣っていますか?あまり詰め込まないほうがよい、コの字型に並べるとよいなど、さまざまな説がありますが、気にしている方は少ないのではないでしょうか。
しかし、食品の置き方ひとつで、冷蔵庫の冷却機能は大きく左右されるのだそう。
今回は、「より省エネにつながる冷蔵庫の使い方」について、パナソニック株式会社の冷蔵庫担当者である田原奈津子さんにお話を伺いました。
省電力化のコツとは?
まず、省エネ運転につながる食材の入れ方のコツについて、冷蔵庫と、冷凍庫・野菜室に分けて解説します。
●冷蔵庫
冷気の吹き出し口はふさがないように置くことがポイントです。冷蔵室の真ん中にダクトがあることが多く、そこから冷気が出ているので、大きな食品で冷気の吹き出し口をふさいでしまうと、冷気が全体に行き届きづらくなってしまいます。
たとえば、冷蔵室の中の食品をきれいに並べた場合と、パンパンにした場合とでは、冷気を行き渡らせる効率が変わってきます。
ただ、年間でもその差はおそらく数百円程度にとどまると思うので、金額としてのインパクトは正直そこまで大きくないです。5年、10年と長く使っていくことを考えると、食品の入れ方に注意していただくに越したことはありません。
●冷凍室・野菜室
冷凍室と野菜室には、「これ以上は入れないでください」という目印の線が記されています。この線にしたがってください。
特に冷凍室は、つい上までパンパンに入れがちだと思うのですが、冷凍温度を保つためには、冷気を全体に行き渡らせなければいけません。
冷凍の食品はお互いに保冷し合うので、スカスカにする必要はなく、線を超えずにぎっしり詰めるのがおすすめです。
●ドアの開閉にも要注意!
ほかにも気をつけるべきことは「ドアの開閉」。ドアを開ける時間を短くして、短時間にまとめて素早く行うことがベストですが、難しいですよね。
まず、長い時間ドアを開けるのはおすすめしません。ドアを開けていた分だけ、外気との対流が発生し、庫内の温度が上がってしまうからです。
1回1回の温度の上昇幅はさほど大きくないので、これもあまり推奨はできませんが比べるのであれば、短く何度も開閉するほうがまだ良いですね。
また、容量が大きければ大きいほど電気代がかかる、というわけではありません。
たとえば、パナソニックの製品で比べてみると、容量300L・エントリーモデルの年間消費電力量が330~340kWhなのに対し、容量600L・ハイエンドモデルの年間消費電力量は252kWh。
上位モデルのほうがより賢い“頭脳”を搭載しているので、消費電力量が少ないんです。
今日から実践できる!
食品の並べ方や、開閉の回数など、小さなことでも積み重ねていけば、さらなる省電力化を実現できそうです。
ぜひ実践してみてくださいね!