1文字の漢字でも複数の読み方があったり、意外な読み方をする字があったりするのが、漢字のおもしろいところのひとつです。
そこで今回は、「1文字の難読漢字」を5つご紹介します。
「漢字自体は見たことがあるけど、この読み方は知らなかった」というものも、「こんな漢字初めて見た」というものもあると思います。
いくつ読めるかチャレンジしてみてください!
1.「獣」
「獣」という漢字は、「けもの」と読むことが一般的ですが、実はほかにも読み方があることをご存知でしたか?
4文字で読み、「けもの」を少し乱暴に表すときに使う言葉です。
正解は「けだもの」でした。
「獣」の意味は以下のようになっています。
①全身が毛でおおわれ、四足で歩く動物。特に、野生のものをいう。けもの。じゅう。
②動物的な本能をむきだしにした、残忍・非情な者をののしっていう語。
出典:北原保雄編、明鏡国語辞典第二版、大修館書店(2017年4月1日版)p.537
「獣」は「じゅう」や「しし」と読むことができ、「けだもの」は「獣物」と書くこともできますよ。
2.「梟」
ちょっと難しい「梟」という漢字ですが、中には「ふくろう」と読めた方もいらっしゃるでしょう。
では、「ふくろう」以外の読み方はご存知ですか?
大人になったら飲めるようになる“あるもの”と同じ読み方をするというのがヒントです!
そう、正解は「さけ」でした!
意外な読み方の「さけ」ですが、「ふくろう」の古名なので意味するものは同じです。
ちなみに「梟」という字は「きょう」や「ふくろ」と読むこともできますよ。
3.「霖」
こちらの「霖」という漢字、皆さんは読むことができますか?
足の部分を取って「りん」とも読みますが、今回は読み仮名3文字で考えてみてください!
別表記では「長雨」とも書きます。これでわかった方もいらっしゃるかもしれません。
正解は「ながめ」でした。
それでは、辞書に記載されている意味を確認してみましょう!
〘名〙 (「ながあめ」の変化した語) 長く降り続く雨。和歌では、多く、「眺め」に掛けて用いる。
出典:『精選版 日本国語大辞典』(小学館)
学校の古文でも習った「掛詞」です。現代ではなかなか使わない言葉かもしれませんね。
4.「蚶」
虫に甘いと書く「蚶」。
虫へんが付いていますが、虫を表すのではなく、4文字で読むある貝の名前なんです。
正解は「あかがい」でした!
「赤貝」と書くことが一般的なので、「蚶」という漢字を目にする機会は少ないかもしれませんね。
さらに、「蚶」は「あかがい」の古名として「きさ」と読むこともできます。
5.「鐙」
金へんに登ると書く「鐙」。
「登」が入っているように、こちらは「とう」と読むこともできますが、今回は読み仮名3文字で考えてみてください。ヒントは、「鐙」は「足踏み」が転化したものだということ。読み方もかなり似ていますよ。
正解は…
「あぶみ」でした。
「鐙」の意味は下記の通りです。
馬具の一種。鞍(くら)に付属し、鐙革(あぶみがわ)で馬体の左右の外側につるされ、馬に乗り降りするときや乗馬中に騎手の足の重みを支え、馬上での騎手の動きを容易にするもの。
出典:『日本大百科全書』小学館
馬に乗り降りするときに、足をかける部分のことだったんですね!
ちなみに「鐙」は「鐙をつける」「鐙に乗る」などではなく「鐙を履く」というのだそう。こちらも覚えておくとどこかで使えるかも!?
魅力的な漢字の世界!
「ふくろう」とも「さけ」とも読めたり、虫へんなのに貝だったり…漢字は奥が深いですね。
さらに、「霖」という字は和歌を詠むような時代から使われていたと思うと、ロマンを感じます!