カフェでケーキを注文→運ばれてきたケーキに“衝撃”を受けた、ドイツのおやつタイムの光景とは

ベルリン在住のライター、河内秀子です。

東京からこの街に移り住んでから、はや20年。しかしいまだにカルチャーショックを受けることもしばしば。

今回は、ドイツのカフェでケーキを注文したときに出合ってしまう（こともある）不思議なお作法をご紹介します。

ドイツの午後、特に週末の午後のコーヒータイムにはケーキの存在が欠かせません。

さて、あなたがカフェに入って、コーヒーとケーキを注文したとします。しかし店員さんが運んできたケーキを見て、あなたは何事かと驚くかもしれません。なぜならお皿の上のケーキの横腹に（もしくは上から）フォークがグッサリと刺さっているからです。

私がドイツで「ケーキに刺さっているフォーク」を改めて意識したのは、ライターの仕事を始めてからのことでした。1日に何軒もカフェを訪ねてケーキとカフェを注文。しばしばケーキにフォークが刺さっているので、そっと引き抜いては穴が目立たないように表面をならして…。ずっと違和感を感じていたのです。

衝撃だったのは、4人でレストランに入って、シェアしようとケーキを1皿だけ注文した時のこと。

「召し上がれ」と出てきた一切れのケーキには、4人分のフォークが刺されてハリネズミ状態。ご飯に箸を刺す行為を怒られてきた日本人には考えられない！ケーキ痛そう！

なぜ？なんでこんなことするの！？理由が知りたい！

実は、なぜケーキにフォークを刺しているんですか？と店員さんに聞いてみると「刺してない」というお答えが多かったりします。「いや、いま刺したでしょ」とケーキの皿を指さすと、驚く人もしばしば。ドイツの人にとっては呼吸をするように自然な行為なんでしょうか。

「フォークを刺してケーキに固定すれば、運ぶ際に皿からフォークが滑り落ちない」と合理性を解くドイツ人もいます。

しかし時にはシュークリームに長いフォークが刺さってグラグラしていたり、客席にケーキを運んでから刺す人もいるところをみると、そこまで合理的ともいえないようです。

7年前から、“#なぜドイツではケーキにフォークを横刺しにするのか問題”というハッシュタグのもと、目撃情報を募集しています。多くの方々から送っていただいた情報によると、ドイツだけでなく東欧や北欧にまで広がっているよう。

ドイツでもお店や地方によって、全くフォーク刺しが目撃されないところもあれば、店員さんによるところ、パンにまで刺してくるところまでさまざま。

最初は「ありえない」と思っていましたが、いまやカフェでケーキを注文してフォークが刺さってないと寂しく感じてしまうまでに。複数本のフォークを刺したり、垂直にさしたり。ケーキの硬度やお皿とのバランスまで考えた、芸術的な刺し方をみると写真を撮らずにはいられないのです。

筆者：河内秀子（Twitter）
東京都出身。2000年からベルリン在住。ベルリン美術大学在学中からライターとして活動。
#何故ドイツではケーキにフォークを横刺しにするのか問題

編集：TRILLニュース