今回ご紹介する難読漢字は「白楊」です。
一見しただけでは、複雑な漢字が含まれているわけでもないため、簡単に思えるかもしれません。
読み方は全部で2つあります。どちらも当てることはできますか…?
「白楊」の読み方!
まずは字面からそのまま「はくよう」と読んだ方もいらっしゃるのではないでしょうか。実はこちらも正解なんです。
ただ、読み方はあと1つあります。こちらは「しろよう」など、字面から推測できるものではないかもしれませんね。
それでは、ここでヒント!
この読み方をする場合、なんと別表記が3つもあります。「筺柳」に「筥柳」、そして「箱柳」とくれば…もうお分かりですね。
そう、正解は「はこやなぎ」でした!
「白楊」について
数ある表記の中でも1番と言っていいほど、字面から読み方を判断しにくいものだったため、なかなか読めなかった方も多いかと思います。
さて、今回ご紹介した「はくよう」「はこやなぎ」は、どちらも「山鳴(やまならし)」という植物を表しています。いったいどんな植物なのか、その詳細を確認してみましょう。
やま‐ならし【山鳴】〘名〙 ヤナギ科の落葉高木。生長迅速で、各地の山地に生える。高さ五メートル内外。葉は長柄をもち広楕円状菱形、縁に細鋸歯(きょし)があり、裏は灰白色。雌雄異株。早春、葉に先立って紐状の尾状花序を垂れる。雄穂は紫紅色を帯び、長さ五センチメートルぐらい。雌穂は長さ一〇センチメートル内外。果実は長卵形。種子には白毛がある。材は柔らかく、箱材、マッチの軸木、つまようじ、げた、経木真田(さなだ)などに使う。和名は、葉がたてる音による。慣用漢名に白楊をあてる。(後略)
出典:『精選版 日本国語大辞典』(小学館)
なんと、火を起こすために使われる「マッチ」の軸木にも「白楊」が使われているんだそう。キャンプなどのアウトドアでもよく使われるアイテムですが、まさかその材料だったなんて、驚いた方もいらっしゃるかもしれませんね。
ちなみに「はこやなぎ」という名前は「材で箱をつくるためハコヤナギともいう」(出典:『日本大百科全書』小学館)からきているそう。こちらも併せて覚えておいてくださいね!
まとめ
いかがでしたか?
「白楊」は「はくよう」「はこやなぎ」と読みます。
みなさんが普段から使っている言葉にも、意外な別表記があることもしばしば。興味のある方はぜひ辞書を引いてみてくださいね!