1. トップ
  2. エンタメ
  3. 『ナチュラルウーマン』監督セバスティアン・レリオが死去、52歳

『ナチュラルウーマン』監督セバスティアン・レリオが死去、52歳

  • 2026.11.8

映画『ナチュラルウーマン』でアカデミー賞外国語映画賞を受賞したチリの映画監督セバスティアン・レリオが、現地時間11月6日、チリの首都サンティアゴの自宅で亡くなった。52歳だった。家族は「健康上の問題によるもの」と発表しており、詳しい死因は明らかにされていない。(フロントロウ編集部)

パートナーの俳優が家族の声明を発表

訃報を伝えたのは、長年のパートナーで俳優のアマリア・カッサイ。米The Hollywood Reporterは現地メディアの報道を引用し、カッサイがサンティアゴ市内のラス・コンデス地区にある自宅で倒れているレリオを発見し、警察に通報したと伝えている。

カッサイがInstagramに投稿した家族の声明には、「深い悲しみの中にいますが、彼の記憶はこれからもずっと私たちと共にあります。チリの文化が大きく変化した時期に、大切なものを残してくれた素晴らしい人でした」とつづられ、静かに見守ってほしいという願いも添えられていた。

『ナチュラルウーマン』を米国で配給したソニー・ピクチャーズ・クラシックスも声明を発表し、レリオを「唯一無二の映画作家」と表現。作品を発表するたびに観客を驚かせてきた監督だったと、その功績をたたえた。

チリ映画に初の外国語映画賞をもたらした監督

1974年にアルゼンチンで生まれ、2歳でチリへ移り住んだレリオは、チリの映画学校を卒業後、短編映画やミュージックビデオなどを手がけ、2005年に長編映画監督デビュー。2013年にベルリン国際映画祭で上映された『グロリアの青春』をきっかけに、国際的な注目を集めた。

転機となったのが、2017年公開の『ナチュラルウーマン』だ。トランスジェンダーの俳優で歌手のダニエラ・ヴェガが、恋人の突然の死をきっかけに偏見や差別と向き合う女性を演じた作品で、2018年のアカデミー賞では、チリ映画として初めて外国語映画賞を受賞した。作品が描いた性自認をめぐる問題は、チリで停滞していた関連法案の議論が再び活発になるきっかけのひとつにもなった。

その後は英語作品にも活動の幅を広げ、レイチェル・ワイズとレイチェル・マクアダムス共演の『ロニートとエスティ 彼女たちの選択』や、ジュリアン・ムーア主演で『グロリアの青春』を自らリメイクした『グロリア 永遠の青春』を発表。2022年には、フローレンス・ピュー主演のNetflix映画『聖なる証』を手がけた。

女性を主人公にした作品が多いことについて、レリオは2025年に米Deadlineの取材で「最初から計画していたわけではありません。ずっと自分の中にあった関心で、世の中が変わったことで、それが目立つようになったのです」と語っていた。

最後に完成させた長編映画は、2018年にチリで広がったフェミニズムの抗議運動を題材にしたミュージカル映画『The Wave(原題)』で、2025年のカンヌ国際映画祭で上映された。亡くなる直前まで、アレハンドロ・サンブラの小説を映画化する『Chilean Poet(原題)』を撮影していた。また、アンドリュー・ガーフィールドが天文学者カール・セーガンを演じる『Voyagers(原題)』の監督も予定されていた。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ