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「忘れていいからね」と送った私に朝まで既読だけの彼→届いた「郵便受け、見てほしい」の先にあった封筒

  • 2026.11.8
ハウコレ

「忘れていいからね」。取り消すように送った一言にも、既読がつくだけでした。眠れないまま迎えた翌日、彼から届いたのは返事ではなく、ある場所を指す短い一文です。
3回目のデートから帰ると、コートも脱がずにベッドに腰を下ろしました。スマホの画面には、送るかどうか何度も迷った文面が打ち込まれたまま。指先で送信ボタンに触れたのは、それから少したってからでした。

送ってしまった「好き」

彼とは、友人の紹介で知り合いました。2人で会うのはその日が3回目。まだ付き合っているわけではありません。

穏やかに話を聞いてくれるところも、本屋で好きな作家の話になると急に早口になるところも、会うたびに好きになっていました。その日の別れ際、「また連絡するね」と手を振る彼を見送りながら、今日伝えようと決めたのです。
「今日もありがとう。あなたのことが好きです」

既読は、すぐにつきました。私はスマホを両手で持ったまま、返事を待ちました。

取り消したかった一言

10分たっても、30分たっても、返事は来ませんでした。

既読はついている。読んだうえで、返事に困っているのだろうか。それとも、どう断ろうか考えているのだろうか。彼のやさしさを知っているぶん、彼が断りの言葉を探している姿ばかりが浮かびました。

2時間ほどたった頃、耐えきれずに送りました。
「ごめん、急にこんなこと言って。忘れていいからね」
これにも既読がつきました。けれど、やはり返事はありません。

送らなければよかった。あと何回か会ってからでもよかった。ベッドに横になっても、何度も画面を点けては、自分の送った2つの吹き出しを眺めました。窓の外が白んでも、彼の名前は通知に出てきませんでした。

「郵便受け、見てほしい」

いつの間にか、うとうとしていたようです。スマホの振動で目を覚ますと、彼からメッセージが届いていました。
「郵便受け、見てほしい」

意味が分からないまま、部屋着にサンダルで階段を下りました。集合ポストの扉を開けると、チラシの上に白い封筒が1通、置かれていました。切手も消印もありません。表には、少し右上がりの癖のある字で、私の名前だけが書かれていました。

2回目のデートで、彼が読んでいる本のタイトルをレシートの裏に書いてくれたことがあります。そのときと同じ字でした。

その場で封を開けると、淡い水色の便箋が3枚、折りたたまれて入っていました。2回目のデートで寄った文房具店で、私がかわいいと言った色でした。

そして...

封筒の中の3枚は、どれも右上がりの字でびっしり埋まっていました。
1枚目の最初の行を目で追っただけで、字がにじんで、その先が追えなくなりました。集合ポストの前で、私は封筒を胸に当てたまま、しばらく立ち尽くしていました。
既読をつけたまま返事をくれなかった一晩、彼はなぜ、メッセージではなくこの3枚を私に渡したのでしょうか。
(20代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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