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【小ネタバレ】ダウンタイムの世界にぶちこみたい〜! 映画『クレイフェイス』はDC初見でも大丈夫

  • 2026.11.8

ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、ネタバレ上等な私見&本音でおすすめしますよ〜。

よしひろさん、「きのう何観た?」 『クレイフェイス』

story 大人気俳優マット(T・R・ハリス)はある事件で顔に傷を負い、キャリアと名声を失う。絶望した彼は、ケイトリン(N・アッキー)が研究中の薬の治験を受けることに。すると、顔の傷は見る間に治るが、治験薬が及ぼす影響はそれにとどまらず……。
監督:ジェームズ・アトキンス/出演:トム・リス・ハリス、ナオミ・アッキー、マックス・ミンゲラ ほか/配給:東和ピクチャーズ、東宝/公開:現在、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー中
© DC Studios. All Rights Reserved.

シリーズの中にいる作品だけどこれだけで楽しめます

今公開中の『クレイフェイス』。アメコミ映画としては超珍しいR15+指定を受けている大人向け映画……じゃなくて、ボディホラーなのよ。っていうか、そもそもアメコミ映画って思わないで大丈夫! そこは保証しちゃう。だって、ヒーローが出てこない、ヴィラン誕生のエピソード0。いわば顔見世興行でございます。しかもだ、これが傑作なのは、たった108分! 2時間切っていて、要素を詰め込むだけ詰め込んだことを褒めたいの〜!

ケイトリン博士が開発した新薬で細胞レベルから修復……って、これ『ダウンタイム』の世界観にぶちこみたい〜

さて、タイトルになっているクレイフェイスは、DCコミックの悪役キャラ。対バットマンのヴィランとして、長年親しまれてきたキャラクター。初出はなんと1940年……って戦中じゃん!(ちなみにあたしの両親の生まれ年。大昔や!)最初はホラー映画の仮面をかぶった元俳優が悪に転じるって設定だったんだけど、代替わりしてリニューアルした際に「粘土みたいに変幻自在のスーパーパワーを持つキャラクター」になったいきさつがありまして。この映画版でのクレイフェイスは、「ハリウッドの人気俳優がすったもんだあって、変幻自在の力を手に入れる」っていうマッシュアップ設定になっております。

なので、元のキャラ設定を知ってても知らなくてもOKだし、なんなら「どうしてそうなっちゃったの?」っていう顔見世だから、『バットマン』とか『ジョーカー』とか観ていなくても、ボディホラーのひとつとして楽しめちゃうという仕組み。よー考えたわ、これ。だって、アメコミ映画って、キャラ多すぎ、作品多すぎで、一見さん入りにくいもんねー。

P自ら拡散して全世界的にバズり散らかした日本のチラシ用写真(裏面です)。これ、じつはほんとに一瞬のカットを切り抜いたスチルだったけど、本質をとらえてるということで本国でも採用されました。

んで、内容もよいのですよ。善人がダークサイドに堕ちて物語がスピンするっていう『スター・ウォーズ』から延々と受け継がれているSFファンタジーのパターンではあるものの、それって善悪が白黒はっきりしてる時代だからできたことなのよね。善悪の境目が今ひとつあいまい、グラデーションがあるからこそ、ダークサイド堕ちしたクレイフェイス=マット・ヘーゲンにも共感が生まれるという仕掛け。おまけに、商売道具の顔を傷つけられたマット・ヘーゲンに、救いの手を差し伸べるケイトリン博士も、彼女の婚約者で警察官のジョンも、みーんないわゆるピュアな善人とは違うってのもいい設定。いや、ほぼ善意で生きてるんだけど、生々しい我欲があるのよね〜。
 
最後、ちょいネタバレになりますが、怒りによって変幻自在能力をコントロールできることを知ってからのクレイフェイスは最高よ。そして何度でも言いますが、108分でキレイに終わるところも最高!

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