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ウイルスは「インフルエンサー」で細菌は「ヤンキー」!? 感染症をキャラクターで捉えて読む! 小児科医・精神科医が子どもの病気や発達について解説する一冊【書評】

  • 2026.11.6
「受診する?」「様子見でいい?」検索してもよくわからない…子どもの病気と発達 これだけは知っておきたいこと 平原慎之介/日本実業出版社
「受診する?」「様子見でいい?」検索してもよくわからない…子どもの病気と発達 これだけは知っておきたいこと 平原慎之介/日本実業出版社

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「子どもが急に熱を出したけど受診した方がいいの?」「うちの子の発達はどうなんだろう?」子育ての中で、こうした不安や疑問を抱いたことがある方は多いのではないだろうか。

そんなパパやママの強い味方となるのが、小児科医であり精神科医でもあるぺんすけ氏の著書『「受診する?」「様子見でいい?」検索してもよくわからない…子どもの病気と発達 これだけは知っておきたいこと』(平原慎之介/日本実業出版社)だ。

著者のぺんすけ(平原慎之介)氏は、診療現場で親御さんと話す時間が限られていることをもどかしく感じ、「正しい考え方をじっくり伝えたい」という思いから2023年夏よりSNS発信を開始。今やInstagramフォロワー9万人超の人気を誇る。本書は、そんな著者が子どもの病気や発達について「これだけは知っておいてほしい」知識を厳選した1冊である。

小児科医が見ている「受診のサイン」がわかる

第1章では、受診の判断軸となる「受診のサイン」について、小児科医の視点から「PAT(小児評価の三角形)」や「様子見終了サイン」を用いて丁寧に整理している。

PATとは、見た目・呼吸状態・皮膚循環という3点を「パッと」見て緊急性を判断する方法だ。「ぐったりしていないか」「呼吸時にゼーゼー音がしないか」「顔色が青っぽくないか」などのチェック項目が示されており、危険性の判断につながる。症状別の「様子見終了サイン」も掲載されているため、焦りがちな場面でも落ち着いて対応する手助けとなるだろう。

また、続く第2章は、喘息や食物アレルギーなど多岐にわたる病気・症状について発症の原因や仕組み・治療法をまとめた「症状事典」となっており、第1章と併せて親御さんの心強い味方となってくれるだろう。

ウイルスは「インフルエンサー」で細菌は「ヤンキー」。楽しく学べる感染症キャラ図鑑

第3・4章では、「感染症をキャラクターで捉える」というアプローチで、発熱の仕組みや各症状の特徴が紹介されている。

例えば、全身に影響が広がるウイルスはフットワークの軽い「インフルエンサー」、特定の場所に強い症状をもたらす細菌は地元に根を張る「ヤンキー」にたとえられている。身近でユーモアのあるたとえのおかげで、専門知識がなくてもスイスイ読み進められる。

子どもがかかりやすい感染症19種をトレカ風にまとめた「感染症キャラ図鑑」も印象的だ。症状やケア法がひと目でわかり、イラストもポップで可愛らしいため、親子で一緒に読むのもおすすめである。

発達の特性は誰にでもある「脳のクセ」

第5・6章では発達障害(神経発達症)について取り上げられている。本書によれば、発達障害は「特性×環境のミスマッチで“困りごと”が大きくなっている状態」であり、大切なのは困りごとを減らす環境調整だという。レーダーチャートを用いた説明では、特性と環境の関係が視覚的にも理解しやすい。

様々な発達特性の特徴や知的障害との区別もわかりやすいたとえで説明されているため、知識のない状態から読んでもすんなり頭に入る。また、相談機関や学校の選び方など、具体的な実践情報も豊富だ。

本書の最後でぺんすけ氏は、子どもの病気や発達と向き合ううえで最も大事な考え方として「ボトムアップとトップダウン」について語っている。「ボトムアップ」とは心や体の土台を整えること、「トップダウン」はその整った土台の上で教えやルールを伝えることだ。つまり、安定した土台があって初めて、伝えたい言葉が子どもへしっかりと届くようになるのである。

子どものボトムアップができている=安心できる状態になっていることを、本書は「緑のモード」と表現している。子どもを「緑」にするための第一歩は、まず親自身が心に余裕のある「緑」の状態でいること。そのために必要なのは、子育ての「わからない」という不安を減らすこと。ぺんすけ氏が本書を書いたのは、まさに親の「わからない」を解消し、家庭に安心を届けるためだという。

圧倒的なわかりやすさと温かいユーモアが詰まったお守りのような1冊。本書を読めば、きっとあなたの家庭にも「緑」豊かな時間が増えるだろう。

文=花純佑

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