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スロージョギングは効果ありすぎ?ウォーキングとの違いと、毎日30分で期待できる変化

  • 2026.11.5

歩くような速さで走る「スロージョギング」。楽に続けられるのに「効果ありすぎ」といわれるのは、なぜでしょうか。

気になるのは、ウォーキングとの違いや、毎日30分続ければ痩せるのかという点です。同じくらいの速さでも、歩く場合より多くのエネルギーを使う可能性がある一方、体重や見た目の変化には運動量だけでなく食生活も関わります。

理学療法士・パーソナルトレーナーの安藤瑞樹さん監修のもと、効果の理由と限界を確かめながら、今日から試せる始め方を紹介します。

スロージョギングが「効果ありすぎ」と言われる6つの理由

ジョギングも「効果ありすぎ」といわれるように、走る習慣は体力だけでなく、気分や睡眠などにも関わります。

その中でもスロージョギングは、歩くような速さで運動量を増やしながら、自分に合うペースで続けやすい走り方です。スロージョギングが「効果ありすぎ」と言われる理由を、6つに分けて見ていきましょう。

理由1|同じ速さのウォーキングより消費エネルギーが約1.6~2.0倍

スロージョギングは、同じ速さで歩く場合より多くのエネルギーを消費するとされています。

ウォーキングでは常にどちらかの足が地面についています。一方、スロージョギングは両足が一瞬地面から離れる「走る動き」です。

走ると、着地した脚で体を支え、次の一歩へ体を運びます。同じくらいの速さでも、歩く場合とは体の使い方が異なるため、エネルギー消費に差が出ます。

福岡県の健康づくり情報では、時速3~6kmの範囲で同じ速さを比べた場合、スロージョギングのエネルギー消費量はウォーキングの約1.6~2.0倍と紹介されています。普段の速歩きと比べても必ず2倍になる、という意味ではありません。

理由2|脂肪を燃焼し、体力や脚の機能にも変化が期待できる

スロージョギングは、脂肪もエネルギー源として使う有酸素運動です。続けて活動量を増やすことで、体重管理に加え、体力や脚の機能の向上も期待できます。ただし、運動中に脂肪を使うことと、体脂肪が必ず減ることは同じではありません。

平均年齢約71歳の人を対象に、1分間のスロージョギングと1分間の歩行を組み合わせて12週間続けた研究では、運動を行わなかったグループと比べて、有酸素能力や椅子から立ち上がる能力に改善が見られました。

ただし、対象は高齢者であり、毎日30分走った研究でもありません。結果をそのまま全員に当てはめることはできません。

理由3|速いジョギングより、膝や腰への負担を調整しやすい

スロージョギングは、一般的なジョギングやランニングより速さを抑え、歩幅を小さくして走る方法です。

踵からではなく足の指の付け根付近(フォアフット)で柔らかく着地し、歩幅を狭くすることで、速く走る場合と比べ、一歩ごとの着地の負担を抑えられる可能性があります。

ただし、ふくらはぎの負荷が増えたり、膝や腰への負担が必ず少なくなるわけではありません。ゆっくり走っても痛みが出る場合は、無理に続けず歩行に切り替えるなどして調整しましょう。

理由4|きつさを調整しやすく、続けやすい

スロージョギングは、会話できるくらいのペースに速さを落とし、歩く時間も挟みながら取り組めます。今の体力に合わせて運動量を調整しやすいことが、続けやすさにつながります。

ただし、ゆっくり走っても負担の感じ方には個人差があります。息苦しさや脚の痛みを我慢して続ける必要はありません。

理由5|運動習慣が生活習慣病の予防につながる

スロージョギングを続けて身体活動量を増やすことは、健康づくりにもつながります。身体活動には、血圧や血糖値などの改善や、生活習慣病の発症予防との関連が報告されています。

これは身体活動全般についての知見です。スロージョギングだけで血圧や血糖値が必ず下がる、病気が治るという意味ではありません。

理由6|気分転換や睡眠の質向上が期待できる

心地よく体を動かすことは、気分転換のきっかけにもなります。また、ウォーキングやジョギングのような有酸素運動を習慣的に行うことは、寝つきや睡眠の質にもよい影響が期待できます。

ただし、睡眠は運動のほかにも生活リズムなどの影響を受けます。「スロージョギングをすれば必ず眠れる」という効果ではありません。

ジョギングの効果ありすぎ?1ヶ月~1年で起こる体と心の変化【人生変わるって本当?】

毎日30分のスロージョギングは、ウォーキングよりどれくらい消費する?

同じ速さならスロージョギングの消費エネルギーはウォーキングの約1.6~2.0倍ですが、30分間の消費カロリーは体重や運動強度によって変わります。

次の表は同じ速度で比べた結果ではなく、公的資料に掲載された「普通歩行」と「ゆっくりしたジョギング」の運動強度を使った計算例です。歩くような速さのスロージョギングが、必ず6.0メッツになるわけではありません。

体重60kg・30分 計算に用いた強度 消費エネルギーの試算 普通歩行 3.0メッツ 約95kcal ゆっくりしたジョギング 6.0メッツ 約189kcal

※この数値は安静時に消費するエネルギーも含めた総消費量です。普通歩行と比べた場合、30分で上乗せされるエネルギー消費の差は約94kcalとなります。

毎日30分続ければ、1ヶ月で痩せる?

運動によって消費するエネルギーは増やせますが、1ヶ月で何kg痩せるかは決められません。

体重60kgの人が、公的資料で「ゆっくりしたジョギング」に分類される6.0メッツの強度で30分走った場合、消費エネルギーは約189kcal。これを毎日30日間続けると、単純計算で約5,670kcalになります。

ただし、歩くような速さのスロージョギングが、必ず6.0メッツになるわけではありません。実際の消費量はペースや体重によって変わります。また、約5,670kcalは安静時に消費する分も含めた運動中の総消費エネルギーで、そのまま体脂肪が減る量ではありません。体脂肪を1kg減らすには約7,200kcalのアンダーカロリーが必要とされます。

最初は体重よりも、「同じ時間を以前より楽に動けるか」「無理なく続けられているか」も確認してみましょう。1週間から1ヶ月の体重・見た目の変化については、以下記事で詳しく紹介しています。

スロージョギングは1ヶ月でどれくらい効果が出る?体重・見た目の変化と最短で結果を出すやり方

ウォーキングとスロージョギング、どちらから始める?

運動に慣れていない人は歩くことから、歩く習慣がある人は短いスロージョギングを挟むことから始めるといいでしょう。

今の状態 始め方の目安 普段あまり運動をしない まずは無理なく歩く時間をつくる 歩く習慣があり、少し走ってみたい ウォーキングの途中に短いスロージョギングを挟む 走ると膝や足首に痛みが出る 走る時間を増やさず、痛みの原因や運動方法を確認する

「走ったほうが効果的」と考えて、痛みを我慢する必要はありません。続けられる方法を選ぶことが大切です。

朝ウォーキング、毎日続けるとどうなる?1週間~3ヶ月で体に起こる変化

次:今日から試す「歩く1分+ゆっくり走る1分」

今日から試す「歩く1分+ゆっくり走る1分」

最初から30分走り続けなくても、歩行と交互に行う方法があります。

運動効果の検証研究でも、1分間のスロージョギングと1分間の歩行を交互に行う方法が用いられました。ただし、研究ではこれを週に積み重ねて12週間続けています。

以下は、その形式を参考にした初回のお試しメニューであり、同じ研究結果が得られる運動量という意味ではありません。

1. まずは数分歩き、体を動かす。

2. ゆっくり走る1分→歩く1分を、無理のない回数だけ繰り返す。

3. 最後は歩いて呼吸を整える。

走っている間は、隣の人と会話できるくらいのペースを目安にします。1分でも苦しければ走る時間を短くし、痛みが出たら中止してください。余裕をもって終えられたら、次回以降に繰り返す回数や合計時間を少しずつ増やしましょう。

スロージョギングの走り方。速さや着地で意識することは?

普段あまり運動していない人は、まず時速4~5km程度(1kmあたり約12~15分)を試す目安にしてみてください。会話できる余裕があるかを確かめ、きつければさらにゆっくり走りましょう。

速くは走ろうとせず、歩幅を小さくして、自然に呼吸できるペースを保ちます。

背筋を無理なく伸ばし、肩の力を抜いて走りましょう。「1分間に必ず180歩」「鼻だけで呼吸する」など、数字や呼吸法を守ることより、苦しくないペースで動けることを優先します。

スロージョギングでは足の前寄りでの着地が紹介されることもあります。ただし、つま先立ちのように走ったり、急に着地を変えたりすると、ふくらはぎや足首に負担を感じる場合もあります。着地するときは足の指の付け根付近で柔らかく接地したあと、踵も自然に地面へ下ろして衝撃を逃がすのがコツです。着地だけを無理に変えず、足音や痛みを確認しながら取り組んでください。

室内で行いたい人は、足踏みや8の字に動く方法を以下記事で紹介しています。

室内スロージョギングのやり方。足踏みと8の字で静かに続けるコツ

スロージョギングで老けるって本当?

「走ると老ける」といわれる背景には、運動で生じる活性酸素が老化につながるのでは、という心配と、屋外で浴びる紫外線があります。また、激しいランニングによる体の上下動で顔の皮膚が揺れてたるむことや、急激に痩せて頬がこけることを気にする声もあります。

一方、運動中に活性酸素が生じることと、「運動をすると老ける」ことは同じではありません。活性酸素は運動に体が適応する過程にも関わるため、「活性酸素が出るから老ける」「ゆっくり走れば老けない」とは単純に言えません。

安藤さんによると、スロージョギングは歩幅を小さくし、必要以上に跳び上がらずに走るため、速いランニングに比べて顔まわりの揺れを抑えやすいといいます。揺れが少なければ顔のたるみを防げる、という訳ではありませんが、顔の揺れが気になる人にはひとつのメリットと言えるでしょう。

屋外では日差しに応じて紫外線対策をし、疲労や痛みが残るほど無理をせず、体調に合わせて休むといいでしょう。

続けても痩せないときは、何を見直す?

体重だけで効果を判断せず、走った合計時間と頻度、食生活を一緒に確認しましょう。

短い時間でも体を動かす意味はあります。一方で、体重を減らす目的なら、運動による消費量と食事から摂る量の両方が関係します。まずは「何分行ったか」「週に何回続けられたか」を記録すると、自分の運動量を把握しやすくなります。

室内で行っていて変化を感じない場合は、以下記事も参考にしてください。

室内スロージョギングは効果ない?痩せない人の共通点3つ

監修者プロフィール

理学療法士・パーソナルトレーナー 安藤 瑞樹

総合病院で約7年間、理学療法士として、スポーツ・一般整形のリハビリに従事。独立後約4年間、パーソナルトレーナーとして勤務。2021年にパーソナルトレーニングジムJuntosをオープン。現在、パーソナルトレーナーの他、高校サッカー部のトレーナーとしても活動中。

パーソナルトレーニングジムJuntos
https://juntos-tokachi.com/

<Edit:編集部>

参考文献
ふくおかで生まれた、スロージョギング®
https://health.pref.fukuoka.lg.jp/column/exercise/198/
生活活動・運動のメッツ表
https://e-kennet.mhlw.go.jp/wp/wp-content/themes/targis_mhlw/pdf/mets.pdf
Effects of a 12-week, short-interval, intermittent, low-intensity, slow-jogging program on skeletal muscle, fat infiltration, and fitness in older adults: randomized controlled trial
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27848017/
身体活動による疾患等の発症予防・改善のメカニズム
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-00-009
快眠と生活習慣
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-01-004
Relationship between vertical ground reaction force and speed during walking, slow jogging, and running
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11415629/
Production, detection, and adaptive responses to free radicals in exercise
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18191757/
Radiation: The known health effects of ultraviolet radiation
https://www.who.int/news-room/questions-and-answers/item/radiation-the-known-health-effects-of-ultraviolet-radiation

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