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「お願い、彼氏のふりをして」と友人に頼まれた俺→部屋に来た彼が、紙袋を置いて言った一言

  • 2026.11.5
ハウコレ

玄関のドアを押さえたまま、友人の彼は俺のコートを差し出してきました。怒鳴るような響きはどこにもなく、本気だということだけが伝わってくる声です。

スマホに表示されたのは、大学時代からの友人の名前でした。電話に出ると、友人は前置きもなく頼みごとを口にします。それが、俺が初めて誰かの彼氏役を引き受けた日の始まりでした。

電話で頼まれた役

「お願い、彼氏のふりをして」
友人とは大学のゼミで知り合い、卒業してからもたまに飲みに行く仲です。付き合って5年になる彼がいることも、前から聞いていました。
「彼がうちに来るとき、新しい彼氏として部屋にいてほしいの。私がいなくなっても、あの人は平気なのか確かめたい」
断るつもりでしたが、友人の声がいつもより低く、結局引き受けることにしたのです。
当日、友人の部屋に通された俺は、落ち着かないままソファの端に座っていました。友人は何度もスマホと時計を確かめ、玄関のほうを気にしているようでした。

紙袋を提げて現れた彼

インターホンが鳴ると、友人は小走りで玄関へ向かいます。
入ってきた彼は、細長い紙袋を提げていました。友人の後ろにいる俺に気づき、足を止めます。
「紹介するね。新しい彼氏」
友人がそう言うと、彼は俺の顔を数秒見つめました。怒るでも笑うでもない、何かを確かめるような目つきです。
俺は打ち合わせどおり「どうも」と頭を下げました。
彼は紙袋をテーブルにそっと置き、俺のほうへ向き直ったのです。

本気だと分かった声

「悪いけど、今すぐ帰ってくれる?」
声を荒らげたわけではありません。けれど、笑ってごまかせるような空気ではありませんでした。
友人が「待って、これは」と言いかけると、彼は「あとで聞く」とだけ返しました。友人はそれ以上何も言わず、テーブルの紙袋に目を落としていました。
彼はソファに置いてあった俺のコートを手に取り、玄関まで歩いていきます。ドアを開けて押さえたまま、コートを俺に差し出しました。
俺は靴をつっかけて外に出ました。振り返ると、彼は軽く頭を下げてから、ドアを閉めたのです。

そして...

マンションの前で、しばらく友人の部屋の窓を見上げていました。カーテンは閉まったままで、中の様子は分かりません。
駅に向かう途中、友人から「ごめん。今は説明できない」とメッセージが届きました。「大丈夫?」とだけ返しましたが、返事は来ないままでした。
彼氏のふりをしただけの俺を、彼はなぜあれほど本気で追い出したのか。テーブルに置かれたあの紙袋には、何が入っていたのでしょうか。

(20代男性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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