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奇妙な鳴き声を発したり、天井に張り付いたり…猫のようだけど猫じゃない「ナニカ」との、妙に愛おしい新感覚漫画!【書評】

  • 2026.11.1

【漫画】本編を読む

猫のように見えるが、どう考えても猫ではない。『猫のようなナニカ』(アヅミイノリ/KADOKAWA)は、真っ黒な毛に丸い目を持つ謎の生き物と、小学生の少年との日々を描いたハートフルコメディだ。見れば見るほど不可解なのに、なぜか「かわいい」と思えてくる。そんなナニカの底知れない魅力にじわじわとハマっていく作品だ。

小学6年生の連矢は、雨宿りをしていた黒猫らしき生き物と出会う。親に黙って家へ連れて帰り、ひとまず面倒を見ることにしたものの、よく観察してみると何かがおかしい。全身は毛で覆われていて、口や足がどこにあるのかわからない。猫なのかどうかも怪しいその生き物に、連矢は「猫のようななにか」という理由から「ナニカ」と名づける。

家に迎えられたナニカは、すぐに連矢との暮らしになじんでいく。言葉を交わせるわけではないものの、連矢のそばに寄り添ったり、彼のために何かをしようとしたりと、その姿からは懐いていることが伝わってくる。連矢もまた、少し変わったこの新しい家族との生活を楽しんでいる。ところが一緒に過ごす時間が増えるにつれて、ナニカの「猫らしからぬ」生態が次々と明らかになっていく。

その行動はどれも想像の斜め上をいくものばかり。鉛筆を拾うためにベッドを持ち上げる怪力を見せ、さらには壊れたパソコンを直してしまったり、コタツに入ったら妙なことが起きたりと、その謎は深まるばかり。それでも連矢が「猫ってこういう生き物なんだね」というスタンスで受け止めているため、周囲まで妙に納得して話が進んでいく。このズレたやりとりがなんとも面白い。

ナニカは得体が知れなくても、連矢を慕う気持ちだけはまっすぐで、連矢もまたナニカが大好きだ。猫らしいことをするが、逆に猫らしさから遠ざかっていく姿も、見慣れるうちにどんどん愛おしくなってくる。果たしてナニカは何なのか。そんな疑問はまあいいかと思えてくる、不思議でほのぼのとした日常漫画だ。

文=ゆくり

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