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「何を言っても意味がない」モラハラ夫に“静かな諦め”を選んだ妻は…【著者インタビュー】

  • 2026.10.31

【漫画】本編を読む

子どもの世話より、自分を優先してほしい。そんな夫からの要望に、妻の心はどんどんすり減っていく。『うずら男 モラハラかまって夫が人間をやめるまで』(前川さなえ/KADOKAWA LifeDesign)は、ふたりの男の子を育てる専業主婦・あすかと、妻への執着が止まらない夫・和史の歪な夫婦関係を描いた衝撃作だ。

ある日、あすかは和史から、8個のうずらの卵を育てるように命じられる。やがて孵化したうずらたちは、かわいいような、不気味なような…。この小さな生き物が、夫婦の歯車をさらに大きく狂わせていくストーリーは、多くの読者の心を揺さぶった。

本作の著者・前川さなえさんに、幼少期の家庭環境に傷を抱え、大人になっても生きづらさを感じる「アダルトチルドレン」や「モラハラ」をテーマに描いた本作の制作背景や、夫婦関係、自分らしく生きるためのヒントについてお話を伺った。

――主人公・あすかが、モラハラをしてくる夫ではなく自分自身を責めるシーンが印象的でした。前川さんから見て、あすかとはどんな人物でしょうか?

前川さなえさん(以下、前川):あすかは、元から自分を責めるタイプというよりも、和史との長い結婚生活の中で、少しずつ自我を押さえつけられてきたタイプだと思っています。

最初は、ワガママな和史の発言に言い返そうとしていたけれど、何をしても変わらない、と悟った。いろんなやりとりが積み重なって、「もういいや、黙っておこう」となった感じ。「この人はそういう人なんだ」という静かな諦めが、あすかを追い詰めていったんだと思います。

――和史はなぜ、これほどまでにあすかに執着するようになったのだと思いますか?

前川:和史は、優しくされたらすぐに好きになってしまうタイプなのかなと思います。知人の紹介で出会ったあすかがたまたま優しかった。そこにあすかがいたから、という感じでしょうか。

ここは「うずら」とも繋がる点なのですが、鳥の刷り込みと少し似ているかもしれません。彼にとっては最初に接した女性が「お母さん」になってしまうような感覚なのでしょうね。

取材・文=松本温美

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