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「今日、元カレに偶然会った」にスタンプ1個で返した俺→ひと晩かけて書き直した長文の中身

  • 2026.11.2
ハウコレ

「何話したの?」と打っては消し、「連絡先は?」と打っては消す。送れない言葉ばかりが増えていき、結局彼女に届いたのは、猫のスタンプ1個だけでした。
仕事から帰ってソファに座ったところで、スマホが鳴りました。彼女からのメッセージを開いた俺は、テレビの音量を下げました。そこに書かれていたのは、思ってもいない報告でした。

送れなかった質問

「今日、元カレに偶然会った」
「駅前の本屋で。少し立ち話しただけだよ」
読んだ瞬間、聞きたいことが次々に浮かびました。何を話したのか。相手は今どうしているのか。連絡先は交換したのか。
入力欄に「何話したの?」と打ち、消しました。「連絡先は?」と打ち、また消しました。どれも、問い詰めているようにしか読めません。
付き合い始めたころ、彼女は元カレのことを少しだけ話してくれました。返信が遅れると、すぐ電話をかけてくる人だったそうです。俺はそのとき、そういう相手にはならないと決めました。彼女の職場の飲み会に男性がいると聞いた日も、本当は気になっていました。それでも「楽しんで」の一言だけを送ったのです。

時間稼ぎのスタンプ

何か返さなければと焦り、選んだのは猫が敬礼しているスタンプでした。「了解」と書かれた、いつもの1個です。
送った直後に、これでは足りないと分かっていました。それでも、自分の気持ちを落ち着かせる時間がほしかったのです。
「それだけ?」
届いたメッセージを見て、彼女を不安にさせたことに気づきました。それでも、すぐに返す言葉は見つかりませんでした。

メモに書き直した本音

メッセージを送る代わりに、スマホのメモを開きました。思ったことを全部書き出し、責めるように読める文を削っていきます。書いては消すうちに、窓の外が少しずつ白んでいきました。
最後に残ったのは、こんな文章です。
「昨日はスタンプだけでごめん。正直に言うと、すごく嫉妬してた。何を話したのか、連絡先は交換したのか、聞きたいことばかり浮かんだ。でもそれを全部送ったら、前の人と同じになる気がして怖かった。飲み会の日の『楽しんで』も、本当は少し無理してた。これからも縛るつもりはないけど、気にしてないわけじゃないことだけは知っててほしい。会ったことを自分から教えてくれて、ありがとう」
何度か読み直してから、送信しました。

そして...

しばらくして、彼女から電話がかかってきました。
「全部読んだ。嫉妬してたなら、そう言えばいいのに」
少し笑った声でした。連絡先は交換していないこと、5分ほど話しただけだったことを、彼女は自分から教えてくれました。
「次からは、スタンプの前に一言ちょうだい」
そう言われて、俺は「努力する」とだけ答えました。
彼女を不安にさせたあの敬礼の猫は、俺にとっては、前の人と同じにならないための、ぎりぎりの「了解」だったのです。

(20代男性・営業職)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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