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『ひつじのショーン』最新映画は「ホラー作品」のオマージュ⁉ 製作総指揮サラ・コックスが語る

  • 2026.10.31

みんな大好き、ひつじのショーン。イギリスで50年、ストップモーション・アニメーションを作り続けるアードマン・アニメーションの大人気シリーズの最新作『映画 ひつじのショーン かぼちゃ畑の怪物!』が公開中です。このシリーズのすごいところは、なんといっても緻密な人形アニメとセリフなしで全部伝わるユニバーサル設計。おまけに今回はハロウィンシーズンを舞台にしたホラー!?「今回は私たちが大好きな不気味で楽しいイギリスのホラー作品に対するアードマンからのオマージュなんですよ」というのは、この作品の製作総指揮をしたサラ・コックス。

Sarah Cox/アードマン・アニメーションズ以前は自身のアニメーションスタジオを運営し、英国アカデミー賞候補に。アードマンではチーフ・クリエイティブ・ディレクターとして、開発とクリエイティブ部門を統括。『ウォレスとグルミット 仕返しなんてコワくない!』(2024年)などを手がけている。

「スタッフみんながホラー、特に変身する怪物ものが大好きなんです。不気味だけど、独特の雰囲気があるので、ショーンの物語に組み込むことにしました。ただ、ショーンの物語は誰にでも楽しんでもらうもの。だから、怖過ぎない作品にしています。あくまでも季節感、ハロウィンというシーズンの美しさ、楽しさを舞台にしているんですよ」
 
ハロウィンを楽しむために育てていたかぼちゃを台無しにされてがっかりしたひつじの群れを見て、リーダーでもあるショーンはみんなのために立ち上がります。が、「安直な方法を選んでしまったのが騒動のきっかけになる」のだそう。
 
「ショーンは古い科学の本を見つけて、かぼちゃを1日で成長させる薬の開発を思いつくんです。一見すると科学の力を使った最善の策にみえますが、自然の摂理に反するマッドサイエンスは禁じ手でもありますよね。当然この方法には報いが伴い、事態が収拾のつかない方向へと動き始めるんです。今回私たちが描いている物語は、ショーンが問題を解決するために手軽な解決策を得ようとするものの、実際にはより大きな問題を引き起こしてしまい、それを改めて解決しなければならなくなるという、一種の『パンドラの箱』のようなストーリーです」
 
謎の薬を作るショーンは、ホラー映画ではおなじみのマッドサイエンティスト状態。いつもは優しく群れを束ねる彼が、薬の開発にしか目を向けず、自分中心なキャラになってしまうのもポイント。セリフなしでもそのキャラ変が誰にでも分かるのが、本作の素晴らしさです。
 
「科学者的なルックにもこだわりましたし、ショーンが一種の闇落ちをしても、常に群れのために目を向けるリーダーに成長するためのプロセスが重要でした。セリフをほとんど話さないキャラクターの物語ですが、特別に共感できる人間らしさがあり、人々は私たちの作るものに感情的なつながりを感じてくれます。そこにはある種の『やんちゃさ』があり、それが不可欠だと考えています。なぜなら、そのやんちゃさがなければ、少しソフトになり過ぎてしまうから。ショーンと同じように、ちょっとした騒動は起こすものの、その行動要因は常に善意から出ているものでもあるんです。私たちが完璧ではないからこそ、この物語は誰にでも響き、より一層ショーンたちを好きになってくれるものになっていると思います」

『映画 ひつじのショーン かぼちゃ畑の怪物!』

story_ハロウィンのために内緒でかぼちゃを育てていたショーンと仲間たち。ハロウィン直前に牧場主に畑をめちゃくちゃにされてしまい、ショーンは短期間でかぼちゃを急成長させる謎の薬を開発するのだが……。
製作総指揮:サラ・コックス/監督:スティーヴ・コックス、マシュー・ウォーカー/脚本:マーク・バートン、ジャイルズ・ピルブロウ/配給:松竹/公開:新宿ピカデリーほか全国ロードショー中
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text : Masamichi Yoshihiro

otona MUSE 2026年12月号より

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