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【50代の大人旅】11月9日まで!秋の奈良の風物詩「第78回正倉院展」&奈良最新ニュース

  • 2026.11.1

こんにちは、奈良在住の編集者・ふなつあさこです。

晩秋の奈良といえば、正倉院展。2026年は80年め、第78回を迎えます。恒例ではあるものの、整理済みのものだけでも約9000件という正倉院宝物のうち、出陳されるのはごく一部とあって、毎年楽しみにしているファンも多いんです。もちろん、今年も見どころが目白押し!

そんな「第78回 正倉院展」も、早くも折り返し。原則として事前予約制、日時指定券の購入が必要なので「行ってみようかな」と思っておられる方はぜひお早めに(なお、最近間違える方が多いそうですが、70代以上の方も日時指定券が必要です)。

併せて、奈良の旬なニュースもお届けしますので、ぜひ最後までお見逃しなく!

奈良時代から大切に守り伝えられてきた宝物にときめく

奈良時代、平城京の大寺院などには多くの重要な品々を収める収納庫「正倉」がいくつもあり、これを「正倉院」と総称していたそう。唯一現存しているのが、東大寺の倉庫群の中心となる一棟です。

これが現在知られている「正倉院」で、北倉・中倉・南倉の3つからなり、天皇の命によって開封・閉封が行われる「勅封」という形式などで管理されてきたこと、奈良時代以来、曝凉(ばくりょう。わかりやすくいうと虫干しです)と点検が重ねられてきたことなどによって、1200年以上前の宝物が美しさを保って伝えられてきたのです。

北倉43 漆胡瓶[しっこへい](ペルシア風の水差し)

正倉院宝物にはさまざまな種類がありますが、大仏さまの造立を発願された聖武天皇が亡くなった後、お后の光明皇后が大仏さまに献納した聖武天皇ご遺愛の品々は、実際に聖武天皇が身につけられたお召し物や武具、楽器、遊戯具など実にバリエーションが豊か。

「第78回 正倉院展」のポスターなどにも登場する「漆胡瓶」は、聖武天皇のご遺愛品の目録『国家珍宝帳(こっかちんぽうちょう)』に記載されている宝物のひとつ。

奥:北倉25 銀平脱合子[ぎんへいだつのごうす] (碁石の容器)、手前右:北倉25 紺牙撥鏤碁子[こんげばちるのきし](染め象牙の碁石)、手前左:北倉25 紅牙撥鏤碁子[こうげばちるのきし](染め象牙の碁石)

鮮やかな赤と深い藍色の碁石と、碁石入れ。セットで使われていたかは分かりませんが、同じ北倉に収められており、いずれも『国家珍宝帳』に記載のある宝物。今の囲碁と同じようなルールで遊ばれていたのかしら? ……と思いつつ、そもそも私、囲碁のルールがわからず……。

紺牙撥鏤碁子、紅牙撥鏤碁子についての解説パネル。大きく拡大するとこんなに可愛らしい、花をくわえた鳥があしらわれていることがよくわかります。

南倉70 鳥獣花背方鏡[ちょうじゅうかはいのほうきょう](霊獣と葡萄文様の鏡)

毎年のように正倉院展に伺っていると、丸い鏡はよく見かけるのですが、こちらは四角。なんとなくですが、四角い鏡の方が作りづらい気がします。

正倉院宝物は、大陸からもたらされたもののようなイメージが強いですが、実は大陸からもたらされたデザインや技法を真似て国内で作られたものが多いそう。そんななか、こちらの鏡は研究により、唐(中国)からの舶載品であることがわかっているそう。

南倉19 金銅花形合子[こうどうのはながたごうす](透彫りの蓋物)

レースのような透かし彫りがほどこされた容器。よく見ると細い線で柄が彫り込まれていて、上から見ても、横から見ても、しゃがんで下から見ても、一分のスキもなく美しい! 幅は40cm以上あり、割と大きいです。何を入れて使われていたんでしょうね。

手前:南倉1 伎楽面 酔胡王[ぎがくめん すいこおう](楽舞用の面)

飛鳥時代から奈良時代の寺院でさかんに演じられた「伎楽」という仮面音楽劇のお面。横から見てみると、頭をすっぽり覆うような作りになっていることがわかります。胡国(西アジアや中央アジアの国々)の王さまをあらわしているそう。どおりで彫りが深い顔立ち。しかし、本当によく彩色が残っています!

南倉174 虹龍[こうりゅう](ニホンテンのミイラ)

正倉院の扉を開けるとこの龍がいるために雨が降る、と言い伝えられているそう。今年の「開封の儀」は雨が降りませんでしたが、代わりに(?)会期初日の10月24日は雨。近年の研究により、ニホンテンのミイラであることが判明していますが、正倉院に入り込んでこのような姿になったのか、龍に見立てて納められたのか、由来は謎に包まれています。ロマンがありますね。

南倉183 八角天蓋 残欠[はっかくてんがいざんけつ](織物製の天蓋)

長い柄の先に取り付け、高貴な方に差し掛けて使われた「天蓋」。びっくりするほど鮮やかな色が残っています。この柄の傘、あったら素敵だな(庶民の発想)。

中倉69 白瑠璃瓶 [はくるりのへい](ガラスの水差し)

淡くグリーンがかった水差しのガラスの気泡には、いったい何年前の空気が閉じ込められているんでしょう。正倉院宝物にはいつも、想像力がかき立てられます。

行ってみたいな、奈良時代の奈良。いや、ちょっと待てよ。たぶんタイムスリップしても絶対この宝物にお目にかかれそうもないぞ。行こうと思えば毎年正倉院展に伺えるので、やっぱり現代がいいです!

正倉院展はミュージアムグッズも楽しみ。1階の正倉院展グッズ売り場では、宝物を再現したアイテムや、「漆胡瓶」をあしらったトートバッグなど注目アイテムがたくさんありました。このほか、観覧券がなくても入れる館外特設ショップ「天平」でもさまざまなグッズが取り揃えられているので、ぜひ立ち寄って!

※在庫状況は取材日時点。欠品・完売している場合があります

奈良国立博物館 東西西館
奈良市登大路町50

奈良を訪れるなら要チェックな最新ニュース

正倉院展シーズンにぜひチェックしておきたい、奈良の最新情報をお届け! 気持ちのよい秋の日を奈良でゆったり過ごしてくださいね♪

無料で観覧できる! 奈良国立博物館「青銅器館」

奈良国立博物館の常設展にあたるのが、仏像館と青銅器館。しかし、仏像館は改修工事のため9月から長期休館に入りました。その代わり! 青銅器館がリニューアルしてパワーアップ。なのに、入館無料!

1階の名品展「中国古代青銅器<坂本コレクション>」には、古美術商店「不言堂(ふげんどう)」の初代社長で、古美術品の蒐集家として著名な、坂本五郎氏が寄贈した中国古代の青銅器が展示されています。

リニューアルにあたりわかりやすく展示替えが行われ、解説の書かれた題箋なども一新。紀元前のものとは思えない美しさです。

2階の名品展「ナラハク仏像セレクション-受け継ぎ、未来へ-」では、インドから日本に至る仏教伝来の歴史や奈良の仏教美術など、知っているようで知らない仏教美術の基本を作品を通じておさらいできるほか、貴重な作品たちを未来へ受け継ぐための知られざる舞台裏までをコンパクトに学ぶことができます。題箋やパネルがとってもわかりやすいんです!

飛鳥・藤原・奈良の人々を描く注目イラストレーターの初個展

奈良国立博物館からは少し離れていますが、奈良市の人気店「Cafe and Gallery メカブ」では、奈良県橿原市出身のイラストレーター、北石照与(きたいしてるよ)さんの初個展「RENGO − 連碁 − 北石照与 イラスト相関図展」が11月21日(土)まで開催しています。

飛鳥時代、藤原時代、奈良時代までの歴史上の人物たちをユニークなタッチで描く北石さん。相関図を中心に、新作も展示されています。

実は、彼女の初仕事は私が編集を担当した書籍『昨日も今日もおなじことしてる きっと明日もおなじことしてる このままずっと変わらないの? 奈良・薬師寺のお坊さんが処方する108のことばサプリ』根耒穆道(オレンジページ)の表紙&挿絵。そのご縁もあって、トークイベントにも出席させていただきました。

コラボデザート「RENGOのごほうびグラス」には、紙製のコースター付き!

持っていると飛鳥・藤原・奈良時代の人々の相関図がひと目でわかるクリアファイルほか、グッズも取り揃えられています。

Cafe and Gallery メカブを営むのは、主に仏像などを撮影しているフォトグラファー、佐々木香輔(きょうすけ)さん。自らカウンターに立つこともあるそう。

Cafe and Gallery メカブ
奈良市西木辻町208-2F
https://www.cafe-mekabu.com

憧れの「奈良ホテル」西館がリニューアルオープン

明治42年(1909)の開業以来、奈良を代表するホテルとして愛され続けてきた奈良ホテル。その本館が、10月16日に国の重要文化財に指定を受ける運びとなったそう!

これに先立ち、昭和59年(1984)に開業した新館が「西館」としてこの9月、大幅リニューアルを経てオープンしたので取材に伺いました。

私にとっても奈良ホテルは憧れのクラシックホテル。10年ほど前に本館に宿泊し、情緒あふれるホテルステイを楽しみました。ただ、お部屋の広さや水回りなども含めて、クラシックな印象を受けました。

新たにオープンした西館は、そのイメージを払拭するラグジュアリーな空間。「清澄悠然」をテーマに、本館のクラシックな意匠を現代的に再解釈して取り入れたデザインと快適性が両立されていました。

本館のショップやティーラウンジ、バーでクラシカルな本館の雰囲気を楽しみつつ、より快適な西館のゲストルームでゆったりとくつろぐというのも素敵な選択肢だと思います。

今回のリニューアルオープンに合わせて、西館5階には鉄板焼「花菊」が新規オープン。世界の賓客たちにも愛された奈良ホテル百余年の伝統と奈良の食材が織りなす鉄板料理をいただくことができます。

プレオープン日に試食させていただきましたが、目の前で食材が焼き上げられていくダイナミックなライブ感を楽しみつつ、味わいにはクラシックホテルらしい品格が。ランチとディナーいずれもコースのみ、宿泊客はもちろん、ビジターも利用が可能です。

奈良ホテル
奈良市高畑町1096
https://jrwest-hotels.jp/narahotel

この記事を書いた人

編集者 ふなつあさこ

ふなつあさこ

生まれも育ちも東京ながら、幼少の頃より関西(とくに奈良)に憧れ、奈良女子大学に進学。卒業後、宝島社にて編集職に就き『LOVE! 京都』はじめ関西ブランドのムックなどを手がける。2022年、結婚を機に奈良へ“Nターン”。現在はフリーランスの編集者として奈良と東京を行き来しながら働きつつ、ほんのり梵妻業もこなす日々。

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