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“モラハラかまって夫”のリアル。パートナーのハラスメントに抵抗できない理由【著者インタビュー】

  • 2026.10.30

【漫画】本編を読む

子どもの世話より、自分を優先してほしい。そんな夫からの要望に、妻の心はどんどんすり減っていく。『うずら男 モラハラかまって夫が人間をやめるまで』(前川さなえ/KADOKAWA LifeDesign)は、ふたりの男の子を育てる専業主婦・あすかと、妻への執着が止まらない夫・和史の歪な夫婦関係を描いた衝撃作だ。

ある日、あすかは和史から、8個のうずらの卵を育てるように命じられる。やがて孵化したうずらたちは、かわいいような、不気味なような…。この小さな生き物が、夫婦の歯車をさらに大きく狂わせていくストーリーは、多くの読者の心を揺さぶった。

本作の著者・前川さなえさんに、幼少期の家庭環境に傷を抱え、大人になっても生きづらさを感じる「アダルトチルドレン」や「モラハラ」をテーマに描いた本作の制作背景や、夫婦関係、自分らしく生きるためのヒントについてお話を伺った。

――本作は、前川さんがこれまで手がけられていた育児や家族とのほのぼのとしたお話とは違ったジャンルです。絵の表現やストーリーで工夫したところはありますか?

前川さなえさん(以下、前川):ヒューマンホラーのようになりすぎないように意識しました。あくまで“かわいい絵柄”は保ちつつ、ストーリーが進むにつれてじわじわと「侵食」されていくような感覚で。ところどころに「怖い」と思わせるタッチを挟んで、読者のみなさんに少しずつ違和感を抱いてもらえるようにしています。

ご覧になった方はわかると思いますが、ふとしたときの和史のダークな表情など、グッと世界観が変わるシーンがあるんです。

――制作にあたり、たくさん取材もされたと思います。リサーチの中でとくに印象的だったことはなんでしょうか。

前川:お話をいただいてすぐ、図書館に行って「モラハラ」で検索して出てきた書籍をとにかく手に取っていきました。いろいろな事例を読んでいて、最初は「こんなことが実際にあるの?」と驚きましたね。

また、モラハラで悩む方に対して、SNSなどで「どうして言い返さないの?」という反応もみかけますが、当事者からするとそう簡単にいくものではないんだな、と。言い返すと倍になって返ってくることもあるし、子どもへの影響を考えて大人しくするしかないケースもある。そのリアルを知っていく日々は、自分にとってまさに衝撃の連続。簡単に言葉には表せない、複雑な気持ちになりました。

取材・文=松本温美

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