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女の子がグループで動きたがるのはなぜ?理由とトラブル対処法を元小学校教諭が解説

  • 2026.10.30

「トイレも移動教室も、いつも同じ子と一緒」「最近、グループの中でもめているみたい」。女の子の友だち関係は、親から見ると不思議だったり、ハラハラしたりするものです。教員歴十数年でJADP認定上級心理カウンセラーでもある、オンライン専門の教育相談室ボーダレススター代表の貞盛秀明さんが、子どもがグループで動く理由と、グループ内のトラブルに巻き込まれたときの保護者の関わり方を解説します。

ママ広場

「うちの子、グループの中でうまくいっていないみたいで」。
教員をしていたころ、懇談の場で何度もこの相談を受けてきました。グループから抜けたいのに、抜けられない子。抜けたくないのに、居づらくなっている子。どちらの相談もありました。
実際に相談されて印象的だったのは、わざわざ自分の通学路とは違う道を使ってまでグループで一緒にいる時間を増やしている子でした。
先に結論を書きます。教室で見てきた範囲では、子どもたちがグループで動く理由は、ほとんどが「安心の確保」でした。一人でいる姿を見られたくない。その不安が、まず先にあるんです。
ここを押さえておくと、グループの中で起きることも、親にできることも、だいぶ見えやすくなります。

「女子だから」で片づけない

最初に知っておいてほしいことがあります。
「女の子は群れるものだから」と、性別で片づけてしまわないでほしいんです。男の子だってグループはつくります。ただ、サッカーやゲームのように「何をして遊ぶか」でまとまることが多いので、群れているようには見えにくい。私はそう見ています。
国の調査を見ても、仲間はずれや無視、陰口を受けた経験は、小学校では男子も女子も同じように多く、中学校になって女子にやや多い傾向が出てくる、という程度です。女の子だけの問題ではありません。

なぜグループをつくり、なぜもめるのか

(1)一人がつらいのではなく、「一人でいるところを見られる」のがつらい
休み時間にひとりで本を読むこと自体は、平気な子も多いんです。しんどいのは、それを周りに見られること。「あの子、友だちいないんだ」と思われるのが怖い。
だから、トイレにも移動教室にも、誰かと一緒に行く。グループは、その「見られる不安」から身を守る場所になっています。
心理学では、人とのつながりを持ちたいという気持ちは、人間の根っこにある基本的な欲求のひとつだと考えられています。安心できる場所を求めるのは、わがままでも弱さでもないんですよね。
(2)上下関係やもめごとが起きやすいのは、そこが「唯一の居場所」だから
安心のためにつくった場所だからこそ、失うのが怖くなります。
居場所がそのグループしかないと、中での立場にしがみつくしかない。誰かの機嫌をうかがう。強く出る子に合わせる。そうしているうちに、自然と上下ができていきます。誰かを外すことで「私たちは仲間だよね」と確かめ合う、ということも起きてしまう。
悲しいけれど、これは性格の悪さというより、不安の裏返しだと私は思っています。外す側の子も、いつ自分が外されるかわからない怖さの中にいる。だから、立場が入れ替わることも珍しくないと感じています。
(3)グループの中のもめごとは、大人から見えにくい
国立教育政策研究所が子どもたち自身に答えてもらった調査では、いじめの被害として最も多く挙がったのが「仲間はずれ、集団による無視」で、小学校・中学校ともに7割ほどでした。ところが、先生が把握したいじめの中では、この種類は10数%にとどまっていました。
叩かれた、物を隠された、なら周りにも見えます。でも、無視や仲間はずれは、目撃する人がほとんどいない。教員だった私が言うのもなんですが、学校はここを見落としやすいんです。
だから、最初に気づけるのは家庭であることが多い。ここが、いちばん伝えたいところです。

ママ広場

家庭で取り組めること

○相手の子を悪く言わない
子どもがグループの愚痴をこぼしたとき、「そんな子とは離れなさい」「ひどい子だね」と言いたくなります。気持ちはわかります。
ただ、本人はまだそのグループにいたいと思っていることが多いんです。友だちを悪く言われると、次から話してくれなくなる。まずは「それは嫌だったね」と、気持ちのほうだけ受け止めてください。
○「抜けなさい」ではなく「抜けてもいい」と伝える
「グループから離れるよう勧めてもいいのか」。これもよく聞かれます。私の答えは、有りです。ただし、決めるのは本人。
親が「抜けなさい」と言うと、うまくいかなかったとき、子どもは逃げ場をなくします。「抜けてもいいんだよ」「どうするかは、あなたが決めていい」。選択肢として置いておくだけで、子どもはだいぶ楽になります。
○居場所を、ひとつにしない
(2)で書いたとおり、グループがしんどくなるのは、そこが唯一の居場所だからです。習い事、別のクラスの友だち、いとこ、図書室、委員会。グループの外にもうひとつ居場所があるだけで、しがみつかなくてよくなります。
離れるかどうかを考えるのは、次の居場所が見えてからで十分です。この順番は、逆にしないでください。
○学校には「結論」ではなく「事実」で伝える
家庭だけでは難しいと感じたら、担任に相談してください。そのとき、「うちの子がいじめられています」と結論から伝えるより、「いつ、どこで、誰に、何をされたか」を本人の言葉のまま伝えるほうが、学校は動きやすくなります。メモにして渡すのもいいと思います。
あわせて、「相談したことが相手の子にわからないよう配慮してほしい」と、はっきりお願いしておくこと。これを言っておかないと、「先生に言いつけた」と受け取られて、かえって居づらくなることがあります。

家庭の工夫を超えるとき

次のような様子が続いているときは、家庭で抱え込まず、早めに外の力を借りてください。
○朝になると「お腹が痛い」「頭が痛い」と言う日が続く
○学校に行きしぶる、行けなくなる
○眠れない、食欲が落ちている
○持ち物がなくなる、壊される
○SNSやメッセージアプリで悪口を書かれたり、グループから外されたりしている
○「いなくなりたい」「消えたい」といった言葉が出る

相談先は、担任や学年の先生、スクールカウンセラー、自治体の教育相談窓口などです。体の不調が続くときは、小児科など医療機関にも相談できます。夜間や休日でも、文部科学省の「24時間子供SOSダイヤル」(0120-0-78310)に、子ども本人も保護者もつながれます。
最後の項目のような言葉が出たときは、様子を見ずに、その日のうちに相談してください。
相談は、いじめだと決まってから行くものではありません。迷っている段階で行くのが、いちばん効きます。

最後に

グループでいること自体は、悪いことではありません。安心できる場所がほしいのは、大人も子どもも同じです。
見てあげてほしいのは、グループがあるかどうかではなく、その子の居場所がひとつだけになっていないか。そして、困ったときに家で話せるかどうか。
親子で対話する時間を大切にしてあげてください。コツとしては我が子であっても大人の女性として扱うことです。
家でグループの話をしてくれるなら、いちばん大事な安全装置は、もうちゃんと働いています。

参考
・国立教育政策研究所 生徒指導・進路指導研究センター「いじめ追跡調査2019-2022 いじめQ&A」(2024年12月)
https://www.nier.go.jp/shido/centerhp/sien/tsuiseki2019-2022.pdf
・Baumeister, R. F., & Leary, M. R. (1995). The need to belong: Desire for interpersonal attachments as a fundamental human motivation. Psychological Bulletin, 117(3), 497–529.
https://doi.org/10.1037/0033-2909.117.3.497

※本記事は一部AIを活用して記事のチェック・校正を行っています。最終的な内容確認およびファクトチェックは、実績のある専門家が実施しています。

執筆者

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貞盛秀明
貞盛秀明

元小学校教諭。特別支援学校小学部の担任も経験。教員歴十数年、進学塾講師を含めるとおよそ二十年。現在はオンライン専門の教育相談室「ボーダレススター」を運営し、不登校・発達の特性・学習のつまずき・学校との関係づくりについて、保護者と子どもの相談を全国から受けている。小学校・特別支援学校・幼稚園教諭免許、JADP認定上級心理カウンセラー。

ボーダレススター

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