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「森万里子:燦燦」10月31日から森美術館で開催! 宮古島のアトリエで独占インタビュー

  • 2026.10.29

空と海を一望するアトリエ“ユプティラ” 感覚を研ぎ澄ませ、作品と向き合うひととき

森万里子 1967年、東京生まれ。NY、東京を拠点に活動する現代美術家。テクノロジーや仏教思想、自然、宇宙を横断する作品を発表。MoMA、ポンピドゥー・センター、テート・モダンなどに作品が収蔵されている。 Hearst Owned

ニューヨークや東京に拠点を持ち、1990年半ばから世界のアートシーン第一線で活躍している森万里子。宮古島の北にある日本最大級のサンゴ礁群・八重干瀬に魅了され、「いつかこの島にスタジオを持ちたい」と願い続けて約15年、夢かない現在の場所「ユプティラ」にたどり着いた。

「このアトリエに欠かせないものは、目の前の海がすべて。制作は、自然のリズムとともにあります」と、彼女は語る。ドローイングは夜のうちに下書きを済ませ、朝に起床後、光がちょうどいい11時半ごろまで描き、午後は絵の上に色を重ねる作業をする。乾く合間には茶室で瞑想し、スタディルームでは仮名の臨書に向かう。

日々刻々と表情を変える海を一望するアトリエ。 Hearst Owned

「一番納得いくように描けるのは、自分自身の感覚が開いているときです」。自身にとって、制作で大切なのは、自我を静め、外から何かを受け取れる状態をつくることだ。心が悶々としているときは、瞑想したり、海岸を散策する。岩、波、太陽、雲。宮古島の大自然に身を置くことで、自分もその一部であると体感し、少しずつチューニングされていく。ドローイングはいわばそのバロメーターであり、描いたものを見れば心の状態がわかるという。

「人間も自然の一部である」と宮古島で感じた経験は、世界6大陸の自然に半永久的なアート作品を1つずつ設置する非営利団体「ファウ財団」作るきっかけにもなった。

新たなインスピーレーションが生まれる、特別な創作の場なのだ。

<strong>天窓から光が差し込むらせん階段 </strong>階段はお気に入りの場所。天窓から降り注ぐ光に導かれ、まるで空へと昇っていくような感覚を抱く Hearst Owned

「心は自由」次世代へ贈る、30年の歩み

「いつか、森美術館で展覧会を開けたら」――その願いが、30年の軌跡を振り返る大規模な個展『森万里子:燦燦』としてこの秋、実を結ぶ。

「生きとし生けるもの」そのひとつひとつのなかに光があり、「燦々と輝いている」。展示を見る人には「展覧会を通して、自分自身のなかにもある光を感じてもらえたらうれしい」と語る。

森万里子《Wave UFO》 1999-2002年 脳波インターフェース、ビジョンドーム、プロジェクター、コンピュータシステム、グラスファイバー、テクノジェル®、アクリル、カーボンファイバー、アルミニウム、マグネシウム 528×1134×493 cm 展示風景:「森万里子:Wave UFO」ブレゲンツ美術館(オーストリア)2003年撮影:リチャード・リーロイド Hearst Owned

なかでも思い入れが深い作品は《Wave UFO》だ。1999年の《Dream Temple》の後に構想し、展覧会を計画していたが、2001年に起きた9・11によって世界は大きく変わり、その年の展示はかなわなかった。作品の核にあったのは「ワンネス」という思想。本来、自分と他者の間、人間と自然の間には境界線がない。すべての生命や存在は、時空を超えてつながっているのではないか――そうした「ワンネス」の思想を、社会が大きく分断されていくなかでも手放さず、2003年にニューヨークで展示が実現。今回、日本では初めて展示され、未来の在り方を問いかける。

「展覧会では、縄文から現代へと続く日本文化と、人間と自然のつながりを見つめ直しました。時代の移り変わりのなかで残ってきた文化を次世代へ継承することも、自分たちの役割だと考えています」

光が降り注ぐ、アトリエのバルコニー。夏真っ盛りのシーズンがいちばんのお気に入り。 Hearst Owned

過去と未来の境界を超えて、私たちはどんな世界を描くのか。「人間は誰しも想像力を持っています。それを使って、どんな未来を創りたいか考えてほしい。そしてその力を信じてもらいたい。社会的にがんじがらめになることもあるかもしれないけれど、本来自分の心は自由だということを忘れないで」

photo WAKABA NODA/tron hair&makeup KAYOKO KINJO

森万里子《巫女の祈り》 1996年 ビデオ 4分42秒 Hearst Owned

「森万里子:燦燦(さんさん)」

10月31日〜2027年3月28日 森美術館

代表作《Wave UFO》を含む、30年にわたる創作の軌跡を、「光」を手がかりにたどる。生と宇宙のつながりを探る大規模個展はこの秋必見!


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