1. トップ
  2. エピソード
  3. 「時間があってうらやましい」在宅で働く私に何度も子どもを預けるママ友。断りきれなかった私が玄関先で伝えたこと

「時間があってうらやましい」在宅で働く私に何度も子どもを預けるママ友。断りきれなかった私が玄関先で伝えたこと

  • 2026.10.31

在宅で働く私への何気ない一言

今ではすっかり大人になったわが子が、まだ幼稚園に通っていたころの話です。

当時の私は自宅で仕事をしていました。幼稚園の送り迎えや家事をしながら、空いた時間を使って仕事を進める毎日でした。

同じ組に、幼稚園のお迎えでよく顔を合わせるママ友がいました。

「今日もお仕事お休み?」

ある日、そう聞かれたので、私は答えました。

「ううん、家で仕事してるよ」

するとママ友は笑いながら言いました。

「そうなんだ。でも、家なら時間があってうらやましい」

悪気があったのかは分かりません。ただ、家にいれば時間の融通が利くと思われているようで、少し引っかかりました。

実際は仕事に追われる日も多かったのですが、その場は笑って流しました。

そんなある日、幼稚園のお迎えのときにママ友から声をかけられました。

「急用ができちゃって。悪いんだけど、夕方まで子どもを預かってもらえないかな?」

突然のお願いに迷いましたが、困っている様子だったので引き受けることにしました。

ママ友の子どもはわが子とも仲がよく、二人で楽しそうに遊んでいました。それでも、子どもたちの様子を見ながらでは仕事に集中できません。

結局、その日は予定していた仕事がほとんど進みませんでした。

ところが、それをきっかけに、ママ友から子どもを預かってほしいと頼まれることが増えていったのです。

「今日もちょっとお願いできない?夕方までなんだけど」

最初は申し訳なさそうにしていたママ友も、次第に気軽に頼んでくるようになりました。

私もそのたびに断ればよかったのですが、一度引き受けた手前、なかなか言い出せませんでした。

その結果、昼間に終わらなかった仕事を、子どもたちが寝たあとに片づける日が増えていきました。

玄関先で初めてはっきり断った日

幼稚園が早く終わった日の昼下がり、家のチャイムが鳴りました。

ドアを開けると、ママ友が子どもを連れて立っていました。

「ごめん、今日もちょっとお願いできない?夕方までなんだけど」

いつものように頼まれましたが、その日も私には進めなければならない仕事がありました。

これ以上、無理をして引き受けるのはやめよう。そう思った私は、はっきりと伝えました。

「ごめんね。今日は仕事があるから預かれないんだ」

ママ友は少し意外そうな顔をしました。

「あ、今日は忙しいんだ?」

「今日だけじゃなくて、いつも仕事はあるんだよ。預かると、その分夜にやらなきゃいけなくなるから」

今まで何となく言い出せなかったことを、ようやく伝えられました。

奥の部屋では、パソコンに作成途中の資料を開いたままにしていました。私にとっては、家も毎日の仕事場だったのです。

ママ友は少し黙ったあと、短く答えました。

「あ、そうなんだ……。じゃあ、ほかを当たってみるね」

そう言って、子どもの手を引いて帰っていきました。

それ以来、ママ友から子どもを預かってほしいと頼まれることはなくなりました。

幼稚園で顔を合わせることはありましたが、「時間があってうらやましい」と言われることもなくなりました。

私の事情がどこまで伝わったのかは分かりません。それでも、無理なときは無理だと伝えてよかったと思っています。

今振り返ると、もっと早く自分の都合を話しておけばよかったのかもしれません。

相手が困っていると、つい引き受けてしまうこともあります。でも、自分の仕事や生活を犠牲にしてまで応える必要はないのだと感じました。

あの日、玄関のドアを閉めた私は、途中になっていた資料の作業に戻りました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ