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テーブルクロスを替えるだけで、部屋の雰囲気はがらりと変わる。料理家・谷口祐子さんの布と暮らし。

  • 2026.10.30

服として身にまとい、日用品やインテリアとして暮らしを包み込む。テキスタイルは、私たちの毎日を支える存在です。&Premium156号「テキスタイルと暮らし」(2026年10月20日発売)より、料理家・谷口裕子さんの住まいを紹介します。

壁紙を替え、作業机にパリのベンチのようなグリーンのペンキを塗った。窓には、サイズや形がバラバラのレースを無造作に組み合わせて。
『オカダヤ』で見つけた布を、ミミのスカラップを生かしてバッグに仕立てているところ。

布と色でつくる、自分らしい生活空間。

クリスマスには赤いチェックを。和食のときはシックなグレーの無地を。季節や気分に合わせてテーブルクロスを替えるだけで、部屋の雰囲気はがらりと変わる。花柄のエプロンを身に着ければ、心も華やぐ。谷口祐子さんにとって布は、自在に扱える道具のようなもの。

「手頃な価格で可愛い色柄の布を見つけて、何かを仕立てることが好きなんです。子どもが巣立って、ようやくそんな時間が持てるようになったので、赤い色のスカートが欲しいと思ったら生地屋さんに行って布を探します。下からチラリと見えたら可愛いなとペチコートパンツもついでに作ったり、エピスリーで販売しているトートバッグのサンプルを作ったりするのが楽しくて」

若い頃からフランスと絵を描くこと、洋服が好きだった谷口さん。専門学校でドレスデザインを学んだものの「自分はアパレル向きじゃないな」と思いカフェやインテリアを手がける会社に就職。そこで出会った夫と結婚してからは、家族で毎年パリに行き、フランス語も習い始めた。

「でも主人を早くに亡くし、息子を育てるために、ディスプレイや料理の仕事で忙しく過ごしていました。数年前までは、料理教室を主宰しながら飲食店を知人と営んでいたので、朝から晩まで料理三昧。でも8年ほど経ったある日、ふと、息子も大きくなったし、汚れが気になって好きな服で働けないからもう飲食店はやめようって(笑)」

以来、好きなスタイルの服装を楽しみながら、料理教室やエピスリーの運営を中心に活動している。今も大好きなパリには毎年訪れ、暮らすように滞在しては、蚤の市やマルシェに通っている。

「今年、パリで借りていた部屋を参考に、息子が使っていた部屋をDIYでリフォームしたんです。居心地のいいアトリエ&寝室になりました」

赤い壁紙を張り、テーブルをグリーンに塗り、押し入れのような収納スペースにはマスタード色の布をカーテンのように吊り下げて目隠しに。独特の色使いと、ヴィンテージレースのカーテンが醸し出すニュアンスが大好きなフランスのよう。

「家や家具を新調することはなかなかできないけれど、窓や壁、テーブルに布を掛けることなら気軽です。布のストックはしまい込むと忘れちゃうから、常に見えるところに置いておきます。目にするだけで嬉しくなるし、次はどう使おうかと考えるのも幸せなんです」

ドイリーはパリ郊外のマルシェで、山積みになっている布から見つけた掘り出し物。庭のバラを優雅に引き立てる。
押し入れの目隠しの布は、天井の高さに合わせて220㎝にカットし、吊るすだけ。タッセルは別珍のリボン。
テーブルクロスはいつもリネン専門店の『リネンバード』で好きな色柄を2m買い、端を縫って作る。
余り布を裂いたリボンをストックしておき、庭のハーブを束ねてブーケにしたり、エピスリーの商品の飾りにしたり。
出典 andpremium.jp
谷口祐子/Yuko Taniguchi料理家

料理教室「暮らすクラス」を定期的に開催。料理教室から始まったエピスリーブランド〈CHANTAL〉では、自家製の調味料やコンフィチュールを販売。

photo : Akiko Baba text : Shiori Fujii edit : Chizuru Atsuta

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