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紙ストローの環境負荷、プラスチック製を上回る可能性──韓国で調査

  • 2026.10.28

「環境にやさしい」はずの紙ストローが、従来のプラスチック製ストローよりも環境への負荷が大きい可能性がある。韓国政府が委託した調査の結果が、海外メディアで相次いで取り上げられ、注目を集めている。(フロントロウ編集部)

4種類のストローをライフサイクル全体で比較

調査を委託したのは、韓国の気候エネルギー環境部。結果は、国会議員のキム・ウィサン氏(国民の力)が明らかにした。韓国の英字紙『The Korea Herald』が10月22日に報じ、26日にはパキスタンの英字紙『Dawn』など海外メディアでも取り上げられ、話題が広がった。

比較されたのは、従来のプラスチック製、紙製、生分解性プラスチック製、そしてサトウキビなどの植物由来原料を使用した「バイオPE」製の4種類。原料の生産から使用、廃棄までのライフサイクル全体を通じて、気候変動や大気汚染など16項目で環境への影響を評価した。

その結果、従来のプラスチック製ストローは、16項目のうち10項目で環境負荷が最も小さかった。一方、紙ストローは、人への発がん性に関する影響指標がプラスチック製の6.33倍、酸性化への影響が2.04倍だった。

なお、発がん性に関する数値は、製品のライフサイクル全体における環境負荷をモデル化した指標であり、ストローを使用する人の発がんリスクを直接示すものではない。

環境負荷が最も大きかったのは「植物由来」

意外にも、今回の調査で環境負荷が最も大きかったのは、植物由来のバイオPE製ストローだった。

発がん性に関する影響指標は従来のプラスチック製の16.18倍、酸性化への影響は5.9倍に達し、オゾン層破壊やスモッグの発生に関する項目を含む10項目で、4種類の中で最も環境負荷が大きかった。

バイオPEは植物由来の原料を使用しているものの、化学的には従来のポリエチレンと同じ性質を持ち、自然環境で容易に分解されるわけではないという。

さらに、今回比較されたストローはいずれもサイズが小さく、分別施設での選別が難しいため、リサイクルされずに焼却処理されていることも確認された。素材を変更しても、廃棄段階では同じように焼却されているというわけだ。

韓国では規制が「無期限延期」に

韓国では2022年11月、カフェや飲食店などでのプラスチック製ストローの使用を制限する規制が導入された。しかし、利用者の不満や政策の効果に対する疑問などを背景に、2023年11月には取り締まりの猶予期間が無期限に延長された。

キム議員は、十分な効果が確認されていない代替素材への切り替えを推進した政策について、政府は「グリーンウォッシュ」の問題を認めるべきだと主張。素材の変更にこだわるのではなく、使い捨て製品そのものの使用量を減らす方向へ政策を転換すべきだと訴えている。

研究者も、ストローは利用者から希望があった場合にのみ提供する方式を提案している。

調査とあわせて実施された1,001人を対象とするアンケートでは、87.5%が従来のプラスチック製ストローを好むと回答。また、希望者にのみストローを提供する方式については、54.4%が賛成した。

日本でも2022年4月にプラスチック資源循環促進法が施行され、事業者には使い捨てプラスチック製品の使用量を削減する取り組みが求められるようになった。ただし、プラスチック製ストローの使用禁止や有料化が一律に義務づけられたわけではなく、具体的な削減方法は事業者の判断に委ねられている。

水分を吸ってふやけやすい紙ストローに不満を感じた経験がある人にとっては、気になる調査結果だろう。ただし、今回の結果は韓国の調査条件に基づくものであり、あらゆる状況でプラスチック製ストローの環境負荷が小さいことを示すものではない。

環境への負荷を減らすうえで大切なのは、素材の違いだけでなく、使い捨てストローそのものの使用を減らせるかどうかなのかもしれない。

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